永田町が揺れている。
……まぁ、要するに今回はそういう話である。
政治問題というのは、民族問題に似ていて、ともすれば感情的にもなるデリケートな所があるので、
実のところこれまでは雑記の題材にはしてこなかった。
……が、今回は個人的に思うところがあるため、筆を取った次第である。
実はＧ-ｍａという人間はそれなりに政治には関心がある（まぁ人並み程度だろうとは思うが）
なので、目下渦中の某政権を中心に、ちょっと自身の政治観を語ってみたい。
先に断っておくが、あくまでもＧ-ｍａの観察による“独断と偏見の”自説であり、
「それは違う」と反論されそうなところもあるだろうが、まぁ主観と受け取って頂ければ幸いである。
◎民主党政権の不安定さと不支持の根拠
――最初から期待はしてなかったけど……
第１に、Ｇ-ｍａは現在（２０１０年）の政権、つまり鳩山民主政権を支持していない（もちろん支持政党は人の自由だが）
といっても自民党の支持者というわけでもない、要は俗に言う“無党派”である。
このところやたらとマスコミに叩かれまくって、支持率が続落状態にある鳩山政権だが、
Ｇ-ｍａ個人的には「最初から期待はしていなかった」のが正直なところである。
まぁ大して政情に詳しいわけではないのだが、さりとて無関心でもなく、簡単に言えば「期待させる何か」を、当の民主党に感じなかったのが最大の理由である。
“不支持の根拠”は他にもあるのだが、第１印象としてはこれだと言える。
野党時代、「口を開けば政権交代」だったのが、ぶっちゃけＧ-ｍａの関心を萎えさせたのだ。
もちろん主張すべき政策構想はあったのだろうが、「政権交代」の主張が余りにも強すぎて、
「他に主張することはないのか」と思うところがあったわけなのである。
なまじ第１野党（交代前）としての地位を確立したが故に、野心を抑えられなくなったのだろうか。
とにかく、ワンパターンのように「政権交代」ばかり主張する民主党に、Ｇ-ｍａは幻滅していたのだ。
とはいえ、ついに自民党から政権を奪取し、史上初の民主党政権が誕生したわけであるが、
この新政権＝現鳩山政権が、不安定でおぼつかないことはなはだしい。
「オープンな政権」などと言っていたのに、むしろ逆とは良く言われているし、
マスコミの陰口だけでなく、実際「何がしたいのか分からない」ことはＧ-ｍａにも感じる。
これでどっしりと構えてれば、仮に多少過激でも許せるのではなかっただろうか。
しかしその「根っこ」を見せぬまま、国会や外交でふらふらと揺れ動く様はどうしたものか。
これならまだ「口は軽いがふてぶてしかった」麻生政権の方が良かったような気すらするのである。
◎非現実的理想論者の首相と権力の亡者に成り下がった幹事長
――評価の下落したＴＯＰが居座る危うさ
更に心もとないのは、政権を支える２大巨頭、首相と幹事長の“危うさ”だ。
八方美人の如くぶれまくる鳩山首相といい、天皇陛下すら見下す傲岸不遜の小沢幹事長といい、
「こいつに任せて本当にいいのか」という不安がよぎるのはＧ-ｍａだけではないはずである。
日米対等論、自衛隊削減、外国人参政権と、国是を揺るがし兼ねない主張が相次ぐ鳩山首相。
その背景にあるのが何かは憶測の域を出ないが、Ｇ-ｍａ的にはどうも、
宇宙人と呼ばれるこの人物が「ロマンに浸っている」ように思えてならない。
よく言えば、まさしく「宇宙人のように視野が広い」のだろう……確かにある意味「地球規模」だ。
しかしその内実は「ロマンの域を出ていない」気がして仕方ないのが、実に勿体無いのである。
「最後は私が決める」と言いつつ、小沢幹事長に指示を仰いでいる“決断力のなさ”も、
１国の指導者としては頼りないことこの上ない……いったいどっちが国家のトップなのだろう。
更に危険な匂いが漂うのは小沢幹事長だ。
政府から官僚を締め出し、政策決定を一手に握る“影の首相”である。
ただ正直言うと、Ｇ-ｍａは元々は、この小沢一郎という人物を評価したい人間だった……少し前までは。
今や少数派である左派野党の多くは、ワンパターンこの上ない与党批判を飽きもせず繰り返すが、
自分の主張に、それなりに合理性を持つ発言を、小沢氏はかつて行っていたからだ。
それがひとたび権力を掌握するや、何もかも制御下に置こうとする“支配欲”ばかり見えるのは何故か。
「さしもの小沢氏も権力に溺れて切れ味を欠いたか」と最近思えてしまう。
政治の内情も知らない１個人の発言で恐縮だが、「そう見えてしまう」のは指導者としてマイナスだろう。
かつて小泉政権の時も、そのワンマン振りから「独裁者」などと陰口を叩かれたが、
彼ほどは傲慢な態度を取らなかったし、少なくとも表向きは毅然とした指導者であり続けた。
もちろんその結果は功罪半ばであろうが、それでも支持率は高かった……これは事実だ。
国民の人気取りという点では、少なくとも小沢氏よりも小泉氏の方が上手かったと言える。
加えて言えば、この２大巨頭（鳩山＆小沢）には、スキャンダルの種が渦巻いている。
「政治をオープンにし無駄を正す」と言った政党のトップが、カネで疑われるとは情けないではないか。
鳩山首相はかつて「政治家にカネの問題が起きれば辞めるべき、私ならすぐバッジを外す」と言った。
しかし今その面影も切れ味もない……何が彼を今の立場に固執させているのか。
それが「政権維持のため」だとすれば、結局は彼も“権力の亡者”ではないのだろうか。
◎官僚性悪説への疑問
――人は権力に踊らされるイキモノである
民主党は「官僚嫌い」で有名らしい。
それは現政権の「官僚締め出し」を見ても明らかだが……ふと、感じる疑問がある。
官僚とは“悪”であろうか？
確かに、天下りを始め、腐敗の温床になっているとは良く言われる……だが、しかしである。
それは決して「官僚に限った話ではない」し、全ての官僚がそうであるわけでもない。
そもそも官僚とは本来、国家運営のために働く“国家公務員”のはず。
マスコミの恣意的な報道姿勢にも多分に問題があるのだが、
Ｇ-ｍａにはどうも、こういった“官僚批判”が、ある種の“民族差別”に思えて仕方ないのだ。
（自作世界観のキャラに“良い官僚”がいるのも、この辺の疑問が核にある）
それに人間とは元々、権力に踊らされる生き物なのだ。
これは決して悲観論ではない……元来、欲を持てはどこかで到達し得る可能性である。
国家権力という強大なパワーが、官僚たちの精神に暗黒面を芽生えさせても不思議ではないし、
安定収入や勢力拡大を望む大手企業らが、その暗黒面を助長するのも世の常である。
何より、“最高権力者”が今現在、政府の背後で「やりたい放題」ではないか。
自分達の地位を磐石にせんがために官僚を追い出したのだとすれば、
これは官僚批判どころか、茶番に等しい権力の奪い合い以外の何物でもない。
それでいて、政策決定にゴタゴタが起きてるのだから、おめでたいとしか言いようがない。
思えば「論点すり替え」は政治家の常套手段である。
官僚は諸悪の根源どころか、国家権力掌握を目論む政治家たちの被害者かも知れないのだ。
（政治家が悪いという話ではなく、あくまでも官僚性悪説への問題提起ですので悪しからず^^;）
◎防衛なき平和という幻想
――理想をかなえたくば現実を見よ
これは「世界平和ロマンに浸る鳩山首相」に通じる話だが、要は外交問題である。
ロードマップまでこぎつけた普天間問題を白紙に戻す、アメリカを逆撫でするような中国詣でをする、
安保論議を棚上げして「対等な日米関係」を言い出す……など、
鳩山政権は「世界情勢が本当に分かってるのか怪しい」ところが多い。
自衛隊削減論議も同様である……在日米軍削減論と並行してこれをやるのだからたまらない。
鳩山首相の脳裏には、ガンジー型の“非武装平和”でもあるのだろうか。
「アメリカの言いなりにはならない」のが由とするのであれば、国防力を充実させるのが筋だ。
それでこそ真の主権国家であるし、胸を張って国際社会で主張できるようにもなろう。
しかし、そういう議論はないのである……ならば誰が日本を守るのだろうか。
「友愛」を唱える鳩山首相だが、まさか本気で「話せば分かる」と思ってるのだとしたらおめでたい。
銃を取らない平和が素晴らしいことは否定しないが、「捨ててから話そう」は非現実的な理想論だ。
一切の武器を使わずに“非暴力不服従”を貫くにはそれこそ、ガンジー並みの覚悟が要る。
銃剣で殴られて出血しても歩き続けたインドの偉人は、最後は凶弾に倒れたのだ。
鳩山首相が非武装平和を夢見るなら、ご自身にも同じ覚悟があるか、問うてみたいものである。
少なくとも、「理想を現実にする」ことを本気で考えているのなら、
もっと外交に力を入れるべきだし、軍縮へのロードマップでも作るべきだろう。
「うちは平和主義なので軍隊を減らします」だけで終わるのなら、国際的にも余りにも無責任である。
まして現実問題、自分のスキャンダルで国民すら納得させられないではないか。
ロマンに浸る前に足元をしっかりさせて欲しいと思うのはＧ-ｍａだけではないと信じたい。
本物の宇宙人のように、「火の粉のかからないところから見下ろしている」感覚なら勘弁願いたい。
それは“身勝手なヤジを飛ばす野党”と同じ行為に違いないのだから。
……続きは後編で（^^;）
（２０１０年６月追記：鳩山首相の辞任により、管直人体制で民主党は参院選に突入することになった）
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