ＧＤＷゾアネスト特殊宙域設定特集

ＧＤＷ-ＬＯＣＡＴＩＯＮＳ
（舞台設定集）

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★ゾアネスト特殊宙域　統合ナンバー：LS-V1

所属銀河数	１個（ロードネスト銀河系）超星団数個（※矮小銀河とも解釈できる）	【大宇宙マップ】
有効宙域	半径約30万光年
主要文明共同体　（銀河団共同体特集）	エルスロード連合王国（ロードネスト銀河系）

【舞台概要設定】（設定補記／固有舞台リスト／関連設定リスト）

　ゾアネスト特殊宙域は、リーヴァス超銀河団内にある特殊宙域の１つである。
　特殊宙域とは、銀河団かそれに準じる規模を持ちながら、銀河団ではない宙域を指すが、
　重心に星雲規模の超宙域群が形成されているケースが多い。
　ゾアネスト特殊宙域はそうした、重心に超宙域群を持つ特殊宙域の代名詞的なものである。
　そのためゾアネスト超宙域群と呼ばれることもある。

　ゾアネスト特殊宙域は、リーヴァス超銀河団で“南方銀河団”の俗称で呼ばれることがある、
　ゾアネスト・ソレイロードに関わる銀河団群の重心付近に存在している。
　この領域は、直径4,000万光年ほどもある広大なヴォイド（銀河団間大空間）を形成しているが、
　そのほぼ中心部にゾアネスト特殊宙域が存在しているのだ。

　そしてこの宙域は、かつて１つか２つの銀河系だったと考えられている。
　“ゾアネスト銀河系”とも呼ぶべき大型銀河が、基準年時代から2,000万年以上前に、
　この宙域に存在したと考えられており、ゾアネスト特殊宙域はその“残骸”だというのが定説だ。
　ゾアネスト銀河系を特殊宙域に変えたのが、約2,000万年前に起きたヴァーツ危機、
　ゾアネスト大乱（ゾアネスト大変動）であると言われているのである。
　つまりゾアネスト特殊宙域は、ヴァーツに破壊された“銀河系の残骸”だというのだ。

　銀河（とりわけ大型銀河）を破壊する、と簡単に言うが、それはとてつもない事態である。
　基準光速で何万年もかかる広大な宙域全体が、大規模な破壊や崩壊に巻き込まれるというのは、
　超新星爆発などとは全く比較にもならない、「小宇宙の終末」と呼べる事態である。
　ヴァーツが幾ら神話的な影響力を持つ過激派と言えど、普通の方法では不可能なことだ。

　それを可能にしたのがダグロニクス・バーストであると言われている。
　これは超時空の穴を開くことで、空間を加速度的に押し広げ、時空を引き裂く効果があるのだ。
　人為でも偶然でも、銀河が破壊されたり変形するほどの事態が引き起こされるのは、
　銀河同士が衝突する事態でもない限り、このダグロニクス・バーストくらいしかあり得ないのだ。
　銀河が丸ごと破壊されるほどの事態となれば、当然大規模なエルロッシュ（宇宙津波）が発生するが、
　ヴォイドの直径が4,000万光年もあるため、この影響を受けた周辺銀河はまだ少ないという。

　現在のゾアネスト特殊宙域は、かつての銀河中心核の名残と考えられるロードネスト銀河系と、
　その周囲に散らばる矮小銀河や超星団（破壊された銀河の腕に当たると思われる）、
　そして半径10万光年以上に渡って広がる、星々の少ないガスが満ちた超宙域群で占められる。
　超宙域がこれほどの規模を持って広がる宙域は、リーヴァス超銀河団では他にないため、
　（リーヴァス・アヴィエラ銀河団近傍のディスドゥーム特殊宙域もここまで広くはない）
　ゾアクロイドやザイオロードといった特殊な性質を持つ種族の巣窟と化しており、
　ヴァーツの主要な拠点として使われていると言われている（ただし唯一的本拠地ではない）

　

【Meking Memo／設定補記】
　2012～2013年頃に初めてイメージした舞台。
　ヴァーツに代表される、神話枠の悪役勢力の潜伏宙域として設定したものであり、
　「銀河規模の魔界」とも呼べる環境設定になっているが、実は幾つかの実際の天体がモチーフになっている。

　１つは原始銀河の異名を持つクエーサーやブレーザーで、強力なジェットを放つ銀河サイズの天体であり、
　実際には「半径１億光年」の宙域には見つかっていないが、それをモデルにした舞台を作っている。
　これが「破壊された銀河の中心核」という経歴を持つロードネスト銀河系であり、
　強力なジェットも一応、更なる銀河の崩壊を防ぐために機能しているという設定になっている。

　もう１つは深宇宙に発見された、銀河サイズの巨大なガス星雲である。
　ガス星雲は普通、オリオン大星雲のように銀河内に存在するが、これが銀河外空間に銀河サイズで発見され、
　銀河形成中途なのか、そのなり損ないなのかで天文学者の中でも意見が割れている。
　このイメージが、ロードネスト銀河系を取り巻く不穏な超宙域群のイメージソースになっている。

　本文でも強調しているが、銀河を丸ごと破壊するというのは、インフレ級の非常事態である。
　ＧＤＷ世界観では「全宇宙の終末」を想定していないため、事実上「銀河の崩壊」が最大の危機になるのだが、
　そうした制約を取っ払っても、銀河が丸ごと崩壊するという現象は想像を絶する事態なのである。
　光の速度で何万年もかかる広大な世界が終末的な破壊現象に見舞われるというのは、
　現実には地震や火山、台風くらいの災害しか経験していない人類にとって、想像の遙か外にあるだろう。
　太陽系規模の世界が丸ごと崩壊する超新星爆発でも、この大破壊には到底及ばないのである。

　そうした大破壊によって、宇宙津波が発生したという設定になっているが、
　（宇宙津波は、空間が広範囲にねじ曲げられるような事態が引き起こす“衝撃波”という解釈になっている）
　こちらはまだ「周辺の銀河には到達しきっていない」という解釈になっている。
　これも本文に書いているが、ゾアネスト特殊宙域の周囲に広大な“ヴォイド”が存在するためだ。
　宇宙津波は「光速で伝播する」という法則性があるので、ヴォイドの端に到達するまで2,000万年かかるのだ。
　厳密に言うと、周辺銀河も均等には分布していないので、既に宇宙津波が到達した銀河もあることはある。

　１方銀河を崩壊させた終末事態ダグロニクス・バーストにもモチーフがある。
　これは「宇宙の膨張加速度が増大しているのでは」と１部の物理学者が考える背景となった仮想エネルギー、
　ダークエネルギーの振舞いから連想したもので、それを「局所的に起こした」設定である。
　宇宙空間を急膨張させるような効果を局部的に“暴発させた”ことで、銀河が崩壊したイメージなのである。
　また銀河群や銀河団を形成せず、ヴォイドのような茫漠とした宙域に、
　１つ寂しくぽつりと銀河が浮かんでいるような宙域も、実は実際に観測されているのである。

　

　
【固有舞台リスト】

固有舞台名

舞台カテゴリ

統合ナンバー

舞台概要

備　考

ロードネスト銀河系

銀河系

LG-V1G01

ゾアネスト特殊宙域の重心をなす銀河。
　古い銀河の核に当たり強力なジェットを放つ。

クエーサーなどがモチーフ。

ゼノアルド超星団

超星団

ゾアネスト特殊宙域の辺縁部にある超星団。
　矮小銀河に近いがロードネスト銀河系と連動。
　ゾアネスト銀河系の過剰腕の１部だった。

ゾアネスト回廊

超光速回廊

　
【関連設定リスト】