ＧＤＷ時空概論

ＧＤＷ-ＷＯＲＬＤＳ
（世界法則設定集）

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	★ＧＤＷ時空概論　統合ナンバー：WX-Z01
	ＧＤＷ世界観では、世界観の構造を通常時空と超時空に分けて解釈している。　通常時空は文字通り、通常の物理法則が作用する時空であり、視覚的に認識される宇宙や世界の姿と重なっている。　これに対して超時空はその名の通り通常時空の秩序を「超える」世界であり、通常時空の外側にあると解釈する。　現実世界の宇宙論における、無の世界とバブル化した宇宙の概念とよく似ていると考えて良い。　ここで言う“無の世界”を、ＧＤＷ世界観では超時空と定義しているのである。　また通常時空と超時空だけではなく、ＧＤＷ世界観では複数の並行時空の概念も肯定している。　多くの並行時空は通常時空の内部で積層化され、そのきっかけは天体の重力的な変化によることが多いようである。　そのためＧＤＷ世界観では、原則として「天体の重力圏内で時空が積層化する」のだ。　◆通常時空の概念（エーテルエネルギーの解説を含む）　　通常時空とは、視覚的に認識される“宇宙の姿”を作り出している時空を指す。　　比較的安定した空間秩序を有し、時間の流れも１部の例外的な宙域を除いてほぼ一定であると考えられている。　　銀河社会に所属する文明を持った生命種族も、概ねこの通常時空を拠点としている。　　生命現象それ自体は超時空にまたがって存在すると解釈されているのだが、肉体を持っている限りにおいては、　　通常時空を拠点として活動することが時空法則性の上でも望ましいのである。　　通常時空はエーテルエネルギーが充満する空間として認識されており、　　またこのエネルギーは通常時空内にある惑星や銀河を形成する、原初の波動であると考えられている。　　厳密な言い方をすれば、「通常時空そのものがエーテルエネルギーの集合体である」と表現した方が良いだろう。　　エーテルエネルギーには様々なベクトルの“流れ”（エーテル波）が存在しており、　　異なるベクトルを持ったエーテルエネルギーが交差することで時空が様々に歪み、　　そこから様々な種類の素粒子が生成され、様々な天体や生命の肉体を作り上げると考えられているのだ。　　またこの通常時空内の法則に従う限り、実は“光速”を超えることが出来ない。　　何故ならＧＤＷ世界観においては、エーテルエネルギーの空間伝播速度がちょうどこの光速に当たるからである。　　通常時空に根ざす物質的な存在は基本的に、このエーテルエネルギーの集束によって生み出されており、　　その法則性の影響下にあるため、それを超えることは理論的に不可能なのである。　　言い方を変えれば、通常時空の法則下で光速を超えることは、そもそも時空を破壊し兼ねないパラドックスとなるのだ。　　ただしこの制約は、あくまでも「通常時空内の法則に従う限り」課せられるルールであり、　　実際には「通常時空内の法則を超越したルール」によって、この法則を超えることが出来る。　　このルールこそ、下記する超時空に干渉することで得られる様々な時空を超えた効果、すなわち超時空効果であり、　　銀河社会もこの超時空効果を活用することで、初めて銀河を“生活圏”に出来るのである。　◆超時空の概念（超時空効果の解説を含む／別特集）　　超時空とは、通常時空の外側にあり、通常時空を包括する世界であると考えられている。　　通常時空の上位互換世界であるが、通常時空の法則は基本的に通用しないと考えられており、　　通常時空ではほぼ安定していると考えられる空間や時間の秩序が、超時空においては曖昧で不安定なものとなる。　　そのため物質も安定して存在できないと見なされており、肉体を持たないような生命以外は、　　超時空内で能動的に活動することはほとんど不可能であると考えられている。　　生命現象は、ＧＤＷ世界観では原則として「通常時空と超時空にまたがる現象」であると解釈されているため、　　超時空に干渉し、通常時空から見れば特殊なこの世界の独自法則を活用することが可能であるが、　　物質的な肉体を持っている限りは、原則として通常時空を拠点にしなければならない。　　存在の状態が曖昧で不確実な超時空では、肉体を持つ個々の生命のアイデンティティが脅かされるのだ。　　（だから逆説的に言えば、空属のような非物質生命は、超時空に潜むことも可能なのである）　　ただしその１方で、この不確実性を逆手に取って、飛躍的に空間を飛び越えることも可能になる。　　銀河社会が標準化している超光速技術は、超時空に存在するルールである超時空効果を、　　１時的ないし限定的に通常時空に“引き込む”ことで、初めて可能になると考えられている。　　通常時空で肉体を持って活動する限り、超時空効果を自由自在に使えるほどには万能ではないものの、　　それでも光速の壁を飛び越えて星間宇宙を飛び回り、空間を能動的に制御することが可能になるのである。　　超時空効果（超時空現象）は空間の超越や重力の制御など、通常物理法則を半ば無視する効果のことを指しており、　　上記の通り超光速現象も超時空効果の１種であると解釈されている。　　生命がこうした効果を活用できるのも、自身の存在場が超時空に潜在しているからなのだ。　　（生命がもし超時空にまたがらない現象ならば、超時空の存在を認識することは不可能だっただろう）　　通常物理法則を超越する効果を持つ超因子も、こうした超時空から供給されるとされている。　　タキオンテクノロジーを支える“超光速超因子”タキオニクスの波動であるタキオン波も、超時空に由来する現象だ。　　実は理論上では、より大規模に超時空効果を通常時空で活用することも可能なのであるが、　　それは「通常時空を超時空化する」ことを意味するため、空間の不安定化を避けられないと考えられている。　　そのため、戦略的なアイデアとして、「意図的に空間を不安定化させる」方法も存在するのだが、　　それは理性に基づいた平和な秩序を重視する銀河社会においては普通、忌避される“反則的行為”であると見なされる。　　ただし通常時空内には、継続的に空間が不安定化した領域（超宙域）も、局部的には存在しており、　　管理が可能である限りにおいて、こうした不安定空間を利用するアイデアもある。　◆基準時空と並行時空の概念（異位相通常時空と超宙域の解説を含む）　　ＧＤＷ世界観において、通常時空は必ずしも１つではない。　　理論上、無限の広がりを持つと考えられる超時空の中に、通常時空に相当する“宇宙”が複数あるとされており、　　これは現実世界における、無の世界と宇宙の理論的なモデルとほぼ同じ考え方である。　　（ただし現時点においては、こうした“他所の宇宙”はＧＤＷ世界観の領域には原則として含まないこととする）　　そのため、“GDW世界観にとっての通常時空”とは異なる位相を持っている別の通常時空を、　　異位相通常時空と呼んで区別化することがある。　　これが上記の“別宇宙”に相当する概念だと考えて良い。　　空間を超越するテクノロジーを持つ銀河社会の文明は、こうした異位相通常時空を訪れることも可能である。　　（ただし下記する「通常時空内の並行時空」よりは行き来が困難なことも少なくない）　　１方これとは別に、通常時空の内部に小さな“異次元世界”が作られることもある。　　これがGDW世界観における並行時空であり、言わばパラレルワールドに相当する世界であるが、　　異位相通常時空とは異なる世界であることを認識する必要がある。　　GDW世界観において並行時空と呼ばれる場合は、惑星などの重力圏内に作られる比較的小規模な時空であり、　　「宇宙自体が違う」異位相通常時空とは特性が異なるものなのだ。　　そして銀河社会では、多くの種族が並行時空を認識し、場合によっては文明の発展に利用するのである。　　またこのような固有重力源に作られる並行時空の基礎となる時空を、基準時空と呼ぶことがある。　　混同しやすいが、通常時空と基準時空は異なる意味を持つ用語であり、　　「通常時空の中に基準時空がある」ことは事実だが、イコールではないので注意が必要である。　　基準時空という概念は、あくまでも（固有重力圏内における）並行時空の対義語として存在するのだ。　　こうした「基準時空ではない重力圏内の並行時空」には、領域の“果て”が存在する。　　この“異次元の果て”は大抵、タキオンテクノロジーを使わなければ「反対側にジャンプする」ループ構造を持つ。　　また空間テクノロジーによって、人工的にこうした局部並行時空を形成することも可能だ。　　大量輸送を必要とする宇宙船の内部が、時々こうした技術で積層化されている。　　（ただし輸送する対象が自発的に空間に干渉する性質を持つ場合、積層空間が不安定化するリスクがある）　　こうした局部並行時空の中には、超時空効果を限定的に活用できる「不安定な世界」が存在する。　　ＧＤＷ世界観ではこうした不安定な時空を超宙域と呼んでいる。　　超宙域では空間が不安定であるため、存在場の変質が起こりやすいという特徴があり、　　生態系を内包する超宙域はしばしばその生態系が激変し、時として“魔界化”すると言われている。　　ミュータントなどが誕生しやすい環境であるため、暴走のリスクも高いのである。　　他方１部のザイオノイドや監視者種族などが、自分たちの作業効率を上げることなどを目的に、　　生活空間や作業空間を意図的に“超宙域化”させるケースもある。　　空間が不安定な超宙域は超時空効果を活用しやすく、波動能力の効率も通常時空より高くなるためだ。　　もちろん理性が成熟していない限り、こうした環境は“諸刃の刃”となるのであるが。　　参照：舞台カテゴリ『並行時空と超宙域』　◆超時空波動の概念（重力波やタキオン干渉光の解説を含む）　　ＧＤＷ世界観の宇宙には、様々な性質のエネルギーと、そのベクトルを持つ流れ“波動”が存在する。　　その代表格が通常時空を構成するエーテルエネルギーとエーテル波であるが、　　他にも複数の波動現象が存在し、中でも重力波（グラヴィクス波）とタキオン波は代表格と言えるだろう。　　重力波は重力に作用するエネルギーの波動であり、GDW世界観では超因子の１種グラヴィクス（重力子）に由来する。　　重力波＝グラヴィクス波は物質的な質量と非物質的な空間を媒介するエネルギーであり、　　通常時空と超時空をつなぐ触媒として非常に重要な役割を持っている。　　銀河社会ではこの重力波を認識し、文明に利用することが、空間テクノロジーの第１歩であると考えられている。　　また重力波は、電磁気における電気と磁気が共鳴し合うように、エーテル波と共鳴し合う性質を持つため、　　エーテルドライブのような“半永久機関”を駆動させる上でも、重力波の活用が欠かせない。　　更に重力自体をコントロールするリパルサードライブも、エーテル波との循環効果を活かすことで効率を上げられる。　　存在場パターンを透視する存在場スキャナにも、重力波が用いられることが多い。　　１方タキオン波は超光速現象をもたらす超因子であるタキオニクスの波動であり、　　このエネルギーを活用することで、超光速エンジンなどの技術水準を飛躍的に上げることが可能になる。　　タキオンテクノロジーは、銀河社会という広大な星間文明共同体を成立させる上で、なくてはならないものなのだ。　　ただし超時空に由来する超因子を認識することは簡単ではなく、その基本的なアプローチは重力波からとされるが、　　実は生命の精神エネルギーもタキオン波やエーテル波と相性が良く、その洗練で理論上、認識が可能である。　　このため、生命の波動制御能力のスキル開発から、タキオンテクノロジーが開かれるケースもある。　　超時空に由来するタキオン波などのエネルギーを超時空波動と呼ぶこともあり、　　その活用レベルを引き上げることが、銀河社会における影響力拡大に必須というのが常識になっている。　　超時空テクノロジー大系も基本はこの超時空波動をいかに利用するかという技術テーマなのだ。　　（厳密に言えば重力波やエーテル波も、通常時空に作用する特性があるが現象の発生源は超時空である）　　タキオン波がこうしたエネルギーの代表格だが、実は属性別に複数の超時空波動が存在する（重力波も実はその１つだ）　　また超時空波動を文明に利用し、活性化させた場合に神秘的な発光現象を伴うことがある。　　代表格がタキオン波を活性化させた際に放射されるタキオン干渉光であり、淡いエメラルドグリーンの光を帯びる。　　超光速航行をする宇宙船の周囲に波紋のように出現する他、タキオンコイルを使う機器がこの光を帯びる。　　“闇の超因子”ダグロニクスの活性化がもたらすダグロニクス干渉波も“知る人ぞ知る現象”だ。　　こちらは「淡い紫色のオーラが湯気のように立ち上る」と言われているが、ポピュラーに見かけるものではない。　　付け加えると基本属性が９つあるように、各属性に対応した発光現象が実は存在する（化学反応による発光とは全く違う）
	【Meking Memo／設定補記】　ＧＤＷ世界観がネットデビューする直前の2003年頃に確立した概念（ただしその後何度か改修を加えている）　原風景となるキャラクターやメカニックはこれよりも前から確立しているものも多いが、　世界観の「基本構造」はこの時に固まったイメージを今も使っている。　本文にも書いてある通り、基本的には現実世界の宇宙モデルを空想科学的に解釈し直したものである。　無の世界の中にバブル状に宇宙が浮かぶあのイメージを超時空と通常時空に割り当てており、　銀河社会はこの両方の時空の法則を上手く使い分けて発展しているイメージなのだ。　またこう解釈することで、現実世界の物理法則を完全に否定することなく、それを超えた世界を構築できる。　光速度不変の原理もエントロピーの法則も、「通常時空内の法則」として活かすことが可能であり、　現実の物理法則では否定される現象は「超時空のルールである」と解釈すれば良いからだ。　相対性理論などでは、時間と空間の関係は相対的なものと解釈されるが、　ＧＤＷ世界観では通常時空内においては、基本的に時間の流れを一定であると解釈している。　これはその方が時系列の整理が容易であるし、タイムトラベルを前面に押し出す世界観でもないからである。　（一応タイムワープも可能という設定にはなっているが、パラドックスを生みやすいため推奨するガジェットではない）　１方、「天体の重力を足がかりに個別に並行時空が形成される」アイデアは恐らくＧＤＷ独自の発想だろう。　これは異次元や異世界をテーマにした作品の多くが「惑星秩序のスケールを超えない」ことと、　それぞれの天体に異なる並行時空を生み出せる設定の方が、より多様な舞台を構築できるためである。　ただし、「宇宙単位で時空が異なる」マルチバース的なアイデアも第４次再編で“復活”させている。　こちらは２次創作的なアイデアを使う場合の“予備的な舞台装置”として設定している。　この異位相通常時空の概念で構築している代表的な舞台設定がアルティバースである。　超時空波動の概念は、重力波やエーテル波、タキオン波の概念から発展したもの。　GDW世界観の銀河社会を支えるこの３大宇宙エネルギー自体はかなり前から想定しているが、　９大属性の枠組みの中に組み込んだのは2010年代以降のことである。　重力波が現実世界でも想定されている（最近観測されたと言われている）ように、　現実世界に存在する波動現象（光波や電波など）も組み込んでいるのも特徴の１つと言えるだろう。　重力制御や存在場透視に使う重力波、通常時空の基礎エネルギーであるエーテル波、超光速をもたらすタキオン波、　この３要素で銀河社会の日常風景は実のところほぼ表現が可能なのであるが、　より奥深さも欲しいと考え、９大属性に関わる複数のエネルギーがあるという概念を作った。　ダグロニクス干渉波などの設定もこうした考証で出てきたもので、元ネタは漠然とした「闇の魔力」のイメージだが、　「超時空に由来する現象の色彩にも理由がある」という設定を確立させたきっかけの１つにもなっている。

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