ＧＤＷ超光速技術概論

ＧＤＷ-ＴＥＣＨＮＯＬＯＧＩＥＳ
（技術設定集）

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★ＧＤＷ超光速技術概論　統合ナンバー：SS-LX

　
　ＧＤＷ世界観は、銀河社会という惑星と種族を超えた、銀河規模の大規模な文明共同体を持っており、
　（銀河社会という用語は１つの国家や星間連合ではなく、複数の勢力が重なり合う社会的総称の意味で存在する）
　この銀河社会を中心に様々な物語が繰り広げられている。

　この銀河社会を支えるのが、超時空テクノロジーと呼ばれる高度な宇宙技術群である。
　超時空の解説に記載してあるように、ＧＤＷ世界観の宇宙は通常時空と、それを包括する超時空に大別され、
　通常時空と超時空では法則の違いがあるが、超時空の法則は通常時空に干渉することが出来る。
　また銀河社会を作り上げた生命もまた超時空にまたがった現象であるため、超時空の法則の活用が可能なのだ。

　このうち当ページでは、超光速技術に関わる技術や用語について解説する。
　超光速技術は銀河社会が成立するために不可欠なテクノロジーの１つであると同時に、
　超時空テクノロジーを高度に発展させる足がかりにもなる重要な分野である。
　これは超光速技術が、単純な技術では達成されないことが背景の１つとなっている。

　◆ＧＤＷ世界観における超光速の原理（基準光速の解説を含む）

　　ＧＤＷ世界観において、超光速現象とは超時空現象の１種と認識されている。
　　超時空現象とは、通常時空の物理法則を超越した特性を持ち、超時空に起源を持つ様々な現象の総称であり、
　　実は生命現象も広義の超時空現象の１つである（存在場の１部が超時空にまたがっているからだ）

　　１方ＧＤＷ世界観において、光速度はエーテルエネルギーが通常時空を伝播する限界速度と考えられており、
　　通常時空に由来する物質的な現象（超物質などを除く）は原則的に、全てエーテルエネルギーから生み出されるため、
　　その特性に支配されており、よって通常時空に由来した現象である限り、光速度を超えることが出来ない。
　　エーテルエネルギーの特性に支配されている現象が、その伝播限界速度を超えることは論理的に矛盾するためである。
　　この伝播速度をＧＤＷ世界観では基準光速、またはエーテル波伝播速度と呼ぶ。
　　“基準”光速という呼び方は、超光速現象が理解されている銀河社会ならではの表現でもある。

　　超光速現象は主に、超時空に起源を持つ超因子の１種である、タキオニクス（タキオン因子）の固有運動特性に由来する。
　　タキオニクスは時空の境界を超える特性を持っており、これが通常時空で超光速として認識されるのだ。
　　タキオニクスはエーテルエネルギーの特性に縛られていないために、その伝播限界速度に支配されないのである。

　　そして上記したように、生命現象は超時空にまたがった、２層構造の存在場（存在場層）を持っているために、
　　超時空現象を感覚的に認識することが可能であり、これが波動制御能力の基本的な原理となる。
　　この生命の波動制御能力はタキオニクスと共鳴するため、理論上は「超光速を認識する」ことも可能であり、
　　これが結果的に、銀河社会における超光速技術の開発と洗練につながっていると考えられている。
　　（ただし必ずしも超光速を“視認”出来るわけではなく、タキオニクスの波動を“霊的に感知”する形で認識している）

　　実は波動制御能力の１種である念送能力（テレポート）も、タキオニクスとの共鳴を介して発揮されるものであり、
　　超光速現象と互換する現象として、銀河社会では認識されているのだ。
　　空間を飛び越えて瞬間移動しているように見えるのも、時空を超越するタキオニクスの効果であると共に、
　　短距離のスケール（概ね１万km未満程度）においては、超光速はまさに“瞬間移動”と認識されるためである。
　　そのため逆説的に言うならば、十分な距離（数万～10万km以上）がある場合は瞬間移動とは認識されないことになる。

　　超光速現象は銀河社会において、光年単位のスケールを持つ銀河系を日常活動圏とするために必要不可欠なものであり、
　　超時空テクノロジーの開発と洗練によって、その恩恵を得ることが出来る。
　　タキオニクスの運動をコントロールする必要があるため、基本的にはタキオンテクノロジーの分野であるが、
　　空間テクノロジーの分野においても「基準光速を超える」こと自体は可能とされている。
　　（厳密に言えば、空間テクノロジーの上位互換分野としてタキオンテクノロジーが存在している）
　　こうしたノウハウを総称して、超光速技術と呼ばれることも多い。

　　エーテルエネルギーの特性に支配されているはずの物質に、超光速の運動性能を与えるために必要なノウハウが、
　　タキオニクスの効果を維持する亜空間のチューブ、すなわちタキオンチューブであり、
　　このタキオンチューブ内を透過させることによって、通常物質も時空の壁を超えることができる。
　　ただし「普通は超えられない」はずの通常時空の法則を、ある意味では「捻じ曲げて」いることから、
　　タキオンチューブ内の物質は完全には安定しておらず、その不安定性のコントロールが重要とされている。
　　このコントロールを間違うと、通常時空の“壁”に衝突し、物質は破壊されてしまうのだ。

　　銀河社会には、超光速回廊と呼ばれる交通インフラも整備されている。
　　これは宇宙空間の固有座標に、中継ステーションなどを介して固定された大型のタキオンチューブであり、
　　その中に入った宇宙船を、本来の性能の数十倍以上に加速させる効果を持っている。
　　これは“タキオンチューブの多層化による亜空間内の加速効果”を利用したシステムであり、
　　理論上はタキオンレールガンなどの超光速貫通兵器（タキオン砲火兵器）も同じ原理に由来している。

　　ただし超光速回廊のタキオンチューブに入ることが出来るのは、超光速性能を単独で持つ宇宙船に限られる。
　　自力で基準光速の限界を超える機能を獲得していないと、そもそもタキオンチューブを活用できないためである。
　　また多層化されたタキオンチューブで宇宙船を包み込むため、物質の安定性はよりデリケートなものとなる。
　　そのため宇宙船の性能それ自体が、超光速回廊の加速効果を決めるとも言われている。
　　こうした不安定性をフォローするために、宇宙船の外層を超物質などでコーティングする方法もある。
　　（超物質は超時空と相性が良いため、物質の不安定化リスクをある程度相殺できるのだ）

　◆超光速性能の階級と文明水準の対比

　　ＧＤＷ世界観において、超光速性能はＴＬ（タキオンリーグ）という単位で倍数評価される。
　　１ＴＬがいわゆる基準光速（秒速３０万ｋｍ）を指し、１０倍なら１０ＴＬ、１００倍なら１００ＴＬと表示するのである。
　　下記の評価リストにもあるように、空間テクノロジーの概念に疎い消費者種族の場合、
　　超光速技術を保有していないことが一般的であるが、銀河社会に先行進出した消費者種族の中には、
　　システムの完全な理解には至っていないまでも、超光速宇宙船を活用しているケースもある。
　　これはより上位の開発者種族においても同じであり、他種族の技術の恩恵を受けて高性能宇宙船を使うケース自体はある。

　　一般的には、タキオンテクノロジー開発の目安とされる速度性能が１００ＴＬ（光速の１００倍）以上とされており、
　　（リパルサードライブやエーテルドライブだけでも基準光速は超えられるが、すぐに頭打ちになると言われているのだ）
　　銀河社会に進出後１００年前後で、多くの開発者種族はこの段階を経験すると言われている。

　　しかしこれ以降の超光速性能は、レベルが上がるほど開発の難易度が大きくなり、
　　１ＭＴＬ（光速の１００万倍）の速度性能を自力開発出来るようになるには、更に数万年規模の経験が必要とされる。
　　この速度性能は、１万光年未満の距離なら超光速回廊などの銀河社会インフラを必要としない水準であり、
　　俗に言う“銀河列強”クラスの、銀河社会の主導的な地位を獲得可能な目安であるとも言われている。

　　更なる速度性能の開発も不可能ではない（実験機レベルならなんと１００ＭＴＬもの速度を達成したケースもある）が、
　　その難易度は当然、それ以前の性能とはまるで比較にならず、それこそ監視者の領域であると同時に、
　　この性能を安定的に維持することは、その監視者ですら困難であると言われている。
　　（監視者が開発に関与した大型シティキャリアなどの速度性能が、速くても数ＭＴＬ止まりなのはこのためだ）
　　隣の銀河団まで、超光速回廊を使わずに迅速に移動できるということは、超時空に潜り込むのとほとんど同じ行為であり、
　　肉体を持たない空属のような特性を持つ生命以外には、本来到達出来ない世界であるためだ。

　

◎超光速性能階級分類
速度性能	技術文明水準	技術水準概要	備考

１ＴＬ	初期開発者（評価４）	基準光速に到達する速度性能（超光速性能）を意味する。　消費者では基本的に到達出来ない技術水準とされるが、　銀河社会を経験している場合、その恩恵を受けることがある。	GDW世界観における光速。
10ＴＬ	初期開発者（評価４）	基準光速の10倍に到達する速度性能を意味する。　1光年の距離を（ノンストップなら）約36日間（860時間程度）で移動可能。　初期の開発者が自力開発可能な超光速性能と言える。　主にリパルサードライブの延長上の技術で達成が可能。
100ＴＬ	前期開発者（評価４．５）	基準光速の100倍に到達する速度性能を意味する。　1光年の距離を（ノンストップなら）約４日間（86時間程度）で移動可能。　前期の開発者が自力開発可能な超光速性能と言える。　主にリパルサードライブの延長上の技術で達成が可能であるが、　頭打ちになる段階であるためにタキオンドライブ開発の移行期目安となる。　（100TL以上も不可能ではないが不安定になる）
1,000ＴＬ（1kTL）	前期開発者（評価４．５）	基準光速の1,000倍に到達する速度性能を意味する。　1光年の距離を（ノンストップなら）約９時間で移動可能。　ただし1万光年の場合、10年近くかかる計算になる。　タキオンドライブ開発の初期段階で、開発者の技術開発の登竜門。　この水準の技術を自力開発出来れば、銀河社会を日常的に活用可能。
10,000TL（10kTL）	中期開発者（評価５）	基準光速の１万倍に到達する速度性能を意味する。　1光年の距離を（ノンストップなら）約１時間（50分余り）で移動可能。　ただし1万光年の場合、１年近くかかる計算になる。　100光年未満の距離なら日常生活圏に入るレベルであるが、　それよりも目的地が遠い場合は超光速回廊などの活用が必須となる。　この段階の技術を開発出来るまで、宇宙進出から数百年～千年はかかる。
100,000TL（100kTL）	後期開発者（評価５．５）	基準光速の10万倍に到達する速度性能を意味する。　1光年の距離を（ノンストップなら）約５分で移動可能。　ただし1万光年の場合、約36日かかる計算になる。　超光速回廊を日常的に使って銀河社会を利用しているレベル。　この段階の技術を開発出来るまで、宇宙進出から数千年はかかる。　（ただし自力開発でなければ、より早く恩恵を受けること自体は可能）
1,000,000TL（1MTL）	後期開発者（評価６）	基準光速の100万倍に到達する速度性能を意味する。　1光年程度の距離なら１分もかからない圧倒的な速度であり、　1万光年の距離さえも数日間で到達可能な計算になる。　（1万光年未満の距離であれば、超光速回廊を必要としない）　この段階の技術を開発出来るまで、宇宙進出から数万年は必要であり、　いわゆる銀河列強クラスの評価を得る目安とされる。
10,000kTL（10MTL）	準監視者以上（評価６．５～）	基準光速の1,000万倍に到達する速度性能を意味する。　1光年を文字通り一瞬で飛び越え、1万光年すら数時間で到達可能。　銀河列強クラスの高度文明でも開発が困難な水準であり、　準監視者以上の極めて洗練されたテクノロジーが不可欠とされている。
100,000kTL（100MTL）	監視者以上（評価７～）	基準光速の1億倍に到達する速度性能を意味する。　1万光年の移動に１時間もかからない驚異的な速度であり、　（100万光年をわずか数日間で飛び越す性能であることを意味する）　タキオンドライブでも監視者クラスが開発する最も高度な性能となる。　これより上位の階級の超光速性能は目安として確立しておらず、　必ずしも達成不可能ではないが、安定的な発揮は極めて困難となる。　これ以上の速度領域は原則、超時空そのものを使う必要があり、　肉体を持つ生命体には実質的に到達が不可能だからだ。　（盟主共同体クラスが利用する超光速通信の特権的な領域でもある）

【Meking Memo／設定補記】
　2000年頃から考証を重ねてきたSF概念を再編整理したもの。
　スペースオペラ系創作（GDW世界観も広義にはこのジャンルに含まれる）に必須のガジェットであり、要するに“ワープ航法”のこと。
　実際の物理学では量子力学のようなミクロの物理ジャンル以外に超光速は達成できないと一般的に考えられているが、
　実はこうした“ワープ航法”を真面目に考証する物理学者もいないわけではない。
　（「超光速は物理的に不可能」というのが科学の世界の一般論だが、必ずしも“絶対論”ではないのである）

　GDW世界観においては、超光速現象を「通常時空の物理現象の制約を超えた超時空由来の現象」と解釈し、
　この超時空を銀河社会の文明活動に活用する超時空テクノロジーの分野において、超光速の実現が可能と解釈している。
　因みに超光速性能の基準であるＴＬ（タキオンリーグ）は単純に倍数値で表示している。
　作品によっては指数関数で表示したり、「光速を突破すれば全ての世界に瞬間移動できる」という解釈もあるが、
　GDW世界観においては「万能化を回避する」意図もあるため、こうした単純な倍数で解釈している。

　数年ほど前までは、万能化回避の意図から、「無限速度は不可」という前提になっていたが、
　宇宙空間における通信など、MTL級の情報伝達速度を持ってしても、距離次第ではリアルタイムで通信できない制約があるため、
　１部の極めて高度な通信などの分野では、超時空を直接利用することで、
　「宇宙の果てでも瞬間的に情報伝達できる」例外的な手段を取れるように設定を改修している。
　（ただしこうした神話的な技術の恩恵を受けることが可能なのは、責任ある一握りの存在であるべきなのだ）
　こうした“特別扱い”的なアイデアは、特権を独占したがる欲張りな投稿者がよくいるため、釘は刺しておきたい。

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