GDW-MECHANICS
(メカニック設定集)
当カテゴリ
★GDW宇宙船概論 統合ナンバー:MS-SX
 
 GDW世界観は、銀河社会という惑星と種族を超えた、銀河規模の大規模な文明共同体を持っており、
 (銀河社会という用語は1つの国家や星間連合ではなく、複数の勢力が重なり合う社会的総称の意味で存在する)
 この銀河社会を中心に様々な物語が繰り広げられている。
 こうした銀河社会を支える、重要なメカニックの1つが宇宙船(スターシップ)である。

 GDW世界観における宇宙船とは、現実の人類社会におけるロケットスペースシャトルの次元ではなく、
 光速(基準光速)の壁を突破し、銀河という広大な舞台を「日常的な生活圏」とするために活躍するメカニックを指す。
 (もちろん後進的な文明の中には、現実世界のロケットに準じる仕様の宇宙船も存在すると解釈する)
 本項目では、こうしたGDW世界観における宇宙船の、基礎的な仕様について解説する。

 ※シティキャリアの解説はこちら超大型輸送船特集


 ◆銀河社会の宇宙船の基礎設計

  オリオネス・カーゴ アーティメス・カーゴ

  銀河社会で運用される宇宙船は、基本的にエーテルドライブリパルサードライブを搭載した星間輸送船を指す。
  エーテルドライブ通常時空を満たすエネルギーに当たるエーテルエネルギー物理的な動力に変換するための装置であり、
  リパルサードライブ重力をコントロールして、重力加速度に逆らって宇宙船を動かすだけではなく、
  船内の重力加速度をコントロールして、急制動などの過酷な衝撃から乗員の安全を守る役目も果たしている。
  またエーテルドライブとリパルサードライブはエーテルエネルギー重力波の関係上、相互に機能を補完し合う関係を持っており、
  エネルギーの有効利用や設計の合理性の上でも、両システムをペアで装備することが基本になっている。

  エーテルドライブはエーテルエネルギーの循環に干渉する要請から、ジェットエンジンに似たトーラス構造を持っており、
  何らかのエネルギー吸引及び還元に作用する、波動インテーク機器エーテル反応システムを持つことが多い。
  そのため宇宙船の前後に装備されるケースが多く、別途装備される直接的な推進装置に併設されることもポピュラーである。
  直接的な推進装置は、エーテルドライブで生成したイオンエネルギープラズマを放射する機能を持っており、
  基準光速未満の速度領域における宇宙船の推進は、このイオンドライブプラズマドライブを使うのが一般的である。

  リパルサードライブは後述する重力波のフィールド効果の都合上、円盤形や円筒形、または球形をしていることが多く、
  宇宙船のバランスを制御する都合上、重心となる中心部に装備されるのが合理的であるが、
  エーテルドライブと補完し合うことが望ましいため、エーテルドライブ近傍に分散して配置されるケースも多い。
  このためエーテルドライブとプラズマドライブを複数搭載する大型宇宙船は、リパルサードライブも複数積んでいるのが一般的だ。

  また宇宙空間には強力な放射線を帯びた宇宙線や星間風、高速で移動するデブリや小天体が無数に存在しているため、
  こうした放射線やデブリから宇宙船の機能や乗員の安全を守るために、独自の力場(フォースフィールド)で守る必要がある。
  フォースフィールドリパルサードライブ副次的な効果として、宇宙船を小さな大気圏のように保護しており、
  同時にこのフォースフィールドの恩恵によって、惑星大気圏内で超音速移動しても衝撃波が発生しにくい。
  そのため銀河社会の宇宙船は必然的に、惑星大気圏を不要にかき乱さずに高速移動が可能な性能を持っていることになる。
  リパルサードライブは宇宙船の重力場も制御するため、加速度オーバーで空中分解する危険性も回避できるのだ。

  ただしフォースフィールドで防護可能なのは放射線と微細なデブリだけであり、より質量のある小天体の衝突にはほぼ無力である。
  こうしたリスクを回避するために、多くの宇宙船は軍用・民間用に限らず空間シールドを装備している。
  空間シールド(エーテルシールド)はその名の通り、空間に擬似的な障壁(次元断層)を作り出す防御用システムである。
  「空間の壁」である以上、後述する超時空効果に関係する方法以外では、原則として突破することが理論上不可能な効果があり、
  質量の大きな飛来物から、宇宙船や乗員の安全を守る切り札となるだけでなく、
  基準光速の壁を越えて“超光速移動”する場合においても、宇宙船の負担を軽減する重要な役目を果たしている。

  空間シールドリパルサードライブ副次的な恩恵の1つであり、両装置の機能は互換しているが、
  フォースフィールドのように、リパルサードライブの機能の中に1体的に組み込むことは難しいと言われている。
  また物理現象に対しては万能に近い効果を発揮するが、タキオンビームなど超時空効果を持つ現象には限界のある装備であり、
  銀河社会における軍事戦術も、仮想敵が装備する空間シールドをいかに効率的に突破するかが鍵になることが多い。
  そのため空間シールド自体も軍用と民間用では仕様が異なり、用途や重要性に応じて複雑に階層化されている。

  プレディアス・マルチクルーザー オーティアス・アクアエッグ

  そして主星(恒星)間移動を行う要請上、不可欠となる装備が超光速性能である。
  GDW世界観において光速度基準光速と呼ばれ、エーテルエネルギーで作られた通常時空物理的限界速度となっている。
  通常時空がエーテルエネルギーの物理法則に支配される以上、エーテルエネルギーの限界を超えることは基本的に出来ない論理である。
  しかし通常時空の物理法則に依存しない方法、すなわち超時空効果を活用することで基準光速の突破が可能なのだ。

  銀河社会において超光速性能タキオンリーグ(TL)という単位で倍数的に評価されている。
  タキオンという言葉が示している通り、超光速性能は超因子の1種であるタキオニクス効果を活用したシステムであり、
  搭載する超光速エンジンの性能に応じて、超光速性能の段階も大きく変わる。
  一般に初期段階や中堅段階開発者が開発した超光速エンジンの性能は数百〜数万TL(数十kTL)とされており、
  百万TL(1MTL)を超える超光速性能を単独で獲得するには、銀河社会進出から少なくとも数万年の経験値が必要だと言われている。
  この性能でも大型銀河を横断するには数週間かかるが、それでもようやく「銀河間宇宙」への視野が広がると言える。

  そしてここまで書いてきたことでも分かる通り、銀河を「日常的な活動圏」とする銀河社会のテクノロジーにおいても、
  銀河の反対側まで一瞬で到達出来るわけではなく、宇宙船内で「生活環境を維持する機能」が必要である。
  目的地に到達するまで、コールドスリープ状態で眠り続ける方法もあるが、これはお世辞にもアクティブな方法だとは言えない。
  (宇宙船仕様の簡略化や合理化のため、超光速性能を持つ宇宙船がコールドスリープ機器を積むケース自体は銀河社会にもある)
  すなわちエーテルエネルギーを動力変換するだけでなく、「生活エネルギーに変換する手段」も同時に必要であり、
  メトラクルシステムに代表される元素生成装置が、こうした生活環境の維持に大きく貢献するのだ。

  目的地となる惑星や宇宙基地などと、通信する手段も必要である。
  超光速性能を実現する方法があるように、超光速通信を実現する方法も銀河社会に存在しており、
  (人類のように電波を用いた通信では、隣の太陽系まで何年もかかることになり、まったく役に立たない)
  物質である宇宙船を超光速運動させるよりは、パルス状のエネルギーに変換可能な情報の移動の方が楽であることから、
  超光速通信の性能は概ね、その宇宙船が搭載する超光速エンジンの性能より数十〜数百倍程度早い。
  (ただしそれでも銀河の反対側まで一瞬というわけではなく、この壁を突破するには別の特殊な方法がある)


 ◆軍用宇宙船の基本装備

  GDW世界観銀河社会は、基本的に種族を超えた平和な秩序を実現しているが、
  リスクが全くないユートピアではなく、こうしたリスクを能動的にコントロールし、安全を保障するために軍事が必要な環境がある。
  脅威の対象は覇権主義をカミングアウトする強硬な軍事国家から宙棲型ザイオロードゾアクロイド系の過激派まで幅広く、
  銀河を股にかける銀河社会で優位に立つ要請上、強力な装備を搭載する宇宙艦艇、つまり軍用宇宙船も少なからず存在している。
  ただし独占的な装備を持って銀河社会に覇を唱える行為は戒められており(それでもそうした行為に挑戦する集団自体はあるが)
  列強と形容される主導的な星間連合は概ね、共通する装備を艦艇などに積んで抑止力を担保している。

  防御力を担保するための空間シールド代表的な標準装備の1つであるが、
  対抗する側が後述するタキオン砲火兵器を積んでいる場合、絶対的な防御力にはなり得ないため、
  超物質含有素材を用いた増加装甲や、ナノマシン型自動補修機能を持つ積層装甲などで、耐久性を引き上げるケースが多い。
  金属系の超物質含有素材(超物質含有合金)エネルギー兵器の反射や拡散に有効性があるが、
  そもそも超物質扱い自体に高度な技術力を要するため、標準装備に出来るのは基本的に列強クラスだけと言われている。

  タイランタ連峰ギロナ級戦艦 アトラス連合プレディアス級防衛母艦

  超光速性能も、列強クラスになると1MTL(基準光速の百万倍)を超える速度性能を持つ艦艇を多数配備しており、
  有事が勃発した際、可能な限り早く前線に急行し、また相手の速力に対抗することが求められている。
  また超光速性能だけでなく、ゲリラ的な作戦を取る相手に対して、亜光速時の機動性能を重視する状況も少なくないが、
  大型艦艇に高い亜光速機動性能を与えるのは物理的に困難であることから、小型の機動兵器に要求される性能であることが多い。
  こうした比較的小型の機動兵器群は、大型艦艇のような超光速性能を持たないか限定的であることが多いが、
  その代わりに亜光速機動性能という“小回りの良さ”で戦術的なアドバンテージを確立させているのだ。

  防御力を担保するために空間シールドが標準装備されていることについては上記したが、
  これを弱体化ないし無力化するための兵器も存在し、その多くは超因子の1種タキオニクスを活用している。
  タキオニクス超光速エンジンの性能にも関与しているが、この超因子最大の特性「空間を超越する」ものであるため、
  (超光速性能の原理も、通常時空に穴を開けるタキオニクスの効果がなければ成立しないのだ)
  空間シールドの特性である「空間の壁(次元障壁)」突破する性質も同時に持っているのである。

  こうしたタキオニクスの効果を軍事利用した兵器群で最も大きなジャンルに当たるのがタキオン砲火兵器である。
  タキオン砲火兵器は、超光速エンジン超光速性能を解放する際に形成するタキオンチューブを活用し、
  このタキオンチューブによって空間シールドに穴を開けながら、その中に物理的破壊力を持つ“弾頭”を別に通す方式を採用する。
  列強クラスは上記したように、艦艇自身の装甲も超物質含有合金などで防護していることが多いが、
  シールドを突破して襲来してきた弾頭の直撃弾に対しては、1発轟沈とは行かずとも何らかのダメージは避けられないのだ。
  (むしろこの際のダメージで轟沈を防ぐために、ダメージを軽減する装甲を採用しているとも言える)

  そのため列強クラスの主力艦艇は多くの場合、タキオンブラスター“主砲”として搭載している。
  タキオンブラスターは、軍用タキオン砲火兵器の代表格であり、外観は無骨な“艦砲”の形態を持っているが、
  その砲身内に組まれたタキオンコイルタキオンチューブを形成しながらエネルギー弾頭を発射し、敵艦を攻撃するのだ。
  (誤解されやすいがタキオンチューブ自体はシールド貫通の手段に過ぎず、敵艦に直接の打撃は与えない)

  そしてこのタキオンブラスター上位互換に相当する“戦略兵器”タキオンレールガンである。
  こちらは「弾頭自体を超光速加速させる」効果があり、光年単位の射程を持っている点でタキオンブラスターより抑止力が強い。
  タキオンレールガンに狙われると、よほど迅速に着弾を計算して回避運動を取らない限り、直撃を回避できないからだ。
  しかも弾頭自体が超光速で飛ぶため、有視界で狙われた場合は被弾回避は事実上不可能であり、
  このずば抜けた性能が、この兵器を銀河安全保障における戦略抑止兵器としての地位に大きく貢献している。
  ただしこうした性能のためにタキオンレールガンは小型化が困難であり、それこそ大型艦艇専用兵器でもあるのだが。


 ◆シティキャリアフリートキャリアの解説を含む)

  ※解説はシティキャリア概論特集ページに移動しました。

 
Meking Memo/設定補記
 2004年頃に発案し、2015年頃にかけて発展、確立してきた空想科学的なメカニック分類の概念の1つ。
 概ね、スペースオペラ系作品に登場する宇宙船や宇宙艦艇の設定にイメージソースを持っているが、
 装備や構造に「GDW世界観の法則性」を反映させているのが個性の1つとなっている。

 銀河社会という汎銀河スケールの文明共同体を舞台にしているため、超光速性能の発揮は当然必須であるが、
 銀河の反対側まで一瞬で行けるほどチートな設定にはならないように一定の制約を設けている。
 また高性能の宇宙船を少数の過激派に独占されることがないように(対抗意識を優先する人間が発想しやすい)
 そうした高性能の実現は銀河社会進出後、それこそ万年レベルの十分な経験値が必須であるという条件を設けている。
 チートな能力や装備を持つキャラクターが、独善的に宇宙をかき回す世界観にだけはしたくないからだ。

 宇宙艦艇の装備についても、詳しくはタキオン砲火兵器の特集ページに譲るが、
 「空間の壁を作る」空間シールドと、これを無効化するタキオニクスの効果を利用した兵器で牽制し合う関係になっている。
 本文にも書いたが、タキオニクスの効果はあくまでも「空間を超越する」ものに限られるため、
 それ自体にプラズマビームのような物理的破壊力はなく、威力を上げるには別の弾頭が必要であることも特徴の1つだ。
 都合の良い万能性を避け、特性を持ったアイテムを効果的に活用する方を重視したいためである。

 またタキオンレールガンは現実世界におけるICBM(大陸間弾道ミサイル)のポジションに相当する兵器であり、
 光年単位の射程超光速移動能力を持つ弾頭の特性で、戦略抑止兵器の地位を確立させている。
 GDW世界観「覇権主義者が跋扈する戦国世界観ではない」ため、核兵器のような殲滅型兵器は重視してはいない。
 そうした兵器の存在自体は否定しないが、空間シールドで防御することが十分に可能であり、
 銀河社会における兵器の地位は「全面的な破壊力よりもピンポイントの貫通力にある」ことを強調することで、
 安易な殲滅型兵器で覇を唱えるような発想を牽制する世界観の構造になっているのである。

 宇宙SFでは、宇宙船の速度性能や戦闘力が重視されがちな傾向があるが、
 それこそコールドスリープでも採用しない限り、「宇宙船内で一定期間生活できるシステム」が不可欠である。
 これは宇宙SFに限らず、人類が未来において実際に宇宙進出する場合にも不可欠な要素であり、
 文明を持った種族が宇宙で繁栄するためには、絶対的になくてはならない(なければ繁栄できない)要素だと考える。
 宇宙空間にはガソリンスタンドも自動販売機も存在しないのだから、自給自足が必須条件なのだ。