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★Ｐｒｏｊｅｃｔ Ａｐｏｃａｌｙｐｓｅ 黙示計画 統合ナンバー：EC-X20501（CMS2130721A） |
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「――神隠し？」
私立金芽台学校のとある正午過ぎ。
生徒会の所用で、夏休みにもかかわらず学校に来ていた加奈は、
昼食のために校内の売店に立ち寄った際、親友の咲から“ウワサ話”を持ちかけられた。
「そ。加奈知ってる？ “黒い雨”が降った後に、必ず人がいなくなるんだって」
咲はバドミントン部の練習で来ていたのだろう……白の体操着とエンジ色のブルマを着ている。
売店の窓の向こう、グランドを挟んだ位置にあるプレハブ小屋から、男子たちのかけ声が聞こえる。
確か――空手部と柔道部が入っている小屋だ。
「知らなーい」
「実際に行方不明事件も起きてるじゃん、ニュースで時々やってる」
「それは知ってるけど、別に都市伝説と結びつけることないんじゃないの？」
「一緒にお化けを見た仲なのに、こういうのは鈍いのよねぇ加奈って」
「あんまり興味ないもんなぁ……あのお化けはなんか、もう都市伝説の域を超えてたし」
“あのお化け”というのは２日前に起きた“食い逃げ事件”で遭遇したトイレの太郎のことだろう。
リアルに事件に出くわせば確かに、そう考えたくもなる。
あるいは“免疫”とも言えるのかも知れない。
……あぁそーいや“怪獣遭遇経験”もあったんだっけこの娘はｗ
「そー言えばあの時知り合った子たち、今日何してるんだろね？」
「あの時知り合った……あぁ、碓氷さんとか陽炎さんとか」
「そうそう、あそこのウィークリーアパートにいるんでしょ、加奈ん家のすぐ近くじゃん」
あそこのウィークリーアパート、とはもちろん“サイトＧ”のことである。
無論――加奈たちはその住人が“異世界召喚者”であることはまだ知らないが。
「そう言えば、東京見物するって言ってたよね……昨日とか晴れてたし、出かけたんじゃない？」
「出かけたんじゃないって、メルアド交換したんじゃなかったっけ？ つれないなぁ」
「だってあたしも忙しいもん、文句あったら会長に言ってよね」
いつしか、少女たちの話題は“都市伝説”から離れて行った――
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ＰＲＯＪＥＣＴ ＡＰＯＣＡＬＹＰＳＥ
プロジェクト・アポカリプス 黙示計画
★ 第７章 無機物の生命体たち ★
2013年7月21日―日本・金芽台事件其の１
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金芽台の住宅街から、数ｋｍほど離れた東京西部の山中。
首都圏に最も近い軽登山の名所で、ミシュランガイドにも載っている高尾山からも近い薄暗い森の中で、
ちらちらとうごめく、赤い影があった……時折キラキラと、光を反射している。
この辺りには車道などないはず……林道を走るスポーツカーやオートバイの類ではなさそうだ。
赤い影は数ｍほど動いては止まり、また動いては止まる。
やがてそれは木立の外れにある小川に姿を現すと、川岸の小さな岩に“腰掛けた”。
それは全身真っ赤な――まるでルビーのような質感を持った“少女”だった。
背格好は中高生くらいだろうか……ショートカットの髪型で、夏らしく軽快な服装をしている。
白っぽいキャミソールに、擦り切れたホットパンツ。
その服装自体は珍しいものではない……この季節なら当然の“装備”だろう。
だが“中身”が常識ではない……“形”こそ若い少女だが、質感は宝石のような、半透明に透き通った赤。
手や足はもちろん、“起伏に満ちた”頭部は特に複雑に光を反射し、キラキラと光っている。
勝気そうな少女の顔、その目には瞳の影がなく、動いていなければ文字通り“石像”のようだ。
靴は履いていない……これまた真っ赤な脚を、そろりと小川の冷水の中に浸す。
気持ちいいのか、少女の表情が、にこりと笑みを浮かべた……だが、どこか寂しげにも見える。
何秒か、小川のせせらぎを眺めていた赤い少女はふと――木漏れ日の差す空を振り仰いだ。
（昼くらいかな今……でもホント、どこなのよココ）
だがそのつぶやきは――普通の人間には聞こえない。
何故なら彼女は、物理的な“声”を出すことができないからである。
赤い少女の名前はルイ。
その体は外観が示すように、ルビーに似た結晶状の鉱物でできている。
滑らかに動く姿を見ていると信じられないが、体の芯まで継ぎ目のない単一の“石”だ。
彼女――ルイがなぜ“石の体”を持つのか、どうしてここにいるのか。
そこには複雑な事情があった……。
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「――それでは今日はこれまで。続きは８日後の月曜日だ、みんな忘れないように」
午後の金芽台学校中等部生徒会室。
眼鏡をかけた少年が、書類をトントンと整えながら、生徒会の一堂を見回して言った。
いかにも優等生そうな真面目な表情……育ちが良いのだろう、面影にはどことなく気品がある。
彼の名は松平健一郎、金芽台学校中等部３年生で、生徒会長の立場にある。
学年主席であり、顔立ちも美少年と呼んでいい、まさに“完璧”なスペックの持ち主だ。
「ふあぁぁ〜、終わったぁ〜」
「肩凝ったな〜、コンビニでアイスでも買って帰ろうぜ〜」
「いいねぇ、会長も行くか？」
生徒会の男子メンバーがふと、話題を健一郎に振る……が、健一郎はそっけない。
「いや、僕は遠慮するよ、買い食いも行儀が悪いしね」
「あっそう……ま、いいか」
「君達も寄り道はほどほどにな、受験勉強もあるだろう」
「受験ねぇ……まだ夏だけどな」
「それにこのまま高等部に進学するんだったら、今から気張ることないんじゃないのか？」
３人組ほどの男子の１人がそう言った直後、健一郎はじろりと睨む表情をした。
失言と気付いた男子は、思わず目を逸らす。
「生徒会役員がそんなことでどうするんだ、僕たちは生徒の代表なんだぞ。
国で言ったら内閣の大臣と同じだ、もう少し自覚を持ってくれ」
失言男子をたしなめた健一郎は、そのまま生徒会室を出て行った。
男子たちはふぅ、と冷や汗をぬぐう。
「ダメだよぉ、会長の前でそんなこと言ったら。アイツは融通の利かない“ガリ勉”なんだから」
「悪い悪い、つい口が滑っちまった」
「あいつ今から家で勉強するんだろうな……他に趣味とかないのかねぇ」
そんな３年男子たちの会話を聞きながら――加奈も生徒会室を出て行く。
「自覚、かぁ……」
言われて見れば確かに健一郎の言う通りだ……生徒会役員は生徒たちの代表。
加奈はたまたまクラスの副委員長になったために、そのまま自動的に生徒会役員の立場を持つことになった。
副委員長というポストだって、別に立候補したわけじゃない。
元々副委員長だったはずの神寺命が引き篭もり状態になってしまったため、“再選挙”で推薦されただけだ。
命も健一郎と並び称される優等生だった……引き篭もらなければこの椅子は彼の席だったろう。
だから生徒会役員というポストの意味に、正直関心がなかった。
むしろ「放課後の時間を取られて慌しい」というマイナスのイメージすらあった。
やりたいことができなくなるなんて――
と、そこまで思い返して、ふと加奈は階段の踊り場で立ち止まった。
「あたし――何がやりたいんだろ？」
そう言えば、考えたこともなかった。
ただ学校に来て、勉強して、弁当やパンを食べて、放課後は咲やディアスと適当に寄り道しつつ帰宅。
そんな毎日をただ何気なく送ってきただけ。
さっき３年男子は受験の話をしてたけど、加奈は志望校とか今まで考えもしなかった。
男子の１人が言ったように――このまま“何気なく”高等部に行くのだろうと。
「あ、雨降りそう。早く帰らなきゃ、そうだ近道しよっと」
窓の外の空模様が変わり始めていることに気付いた加奈は、急いで階段を駆け下りていった。
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加奈が帰宅を急いでいた頃。
ルイは金芽台から１ｋｍもないところまで来ていた。
別に金芽台に向かう目的があって行動していたわけではない……人目を避けて森の中を歩き続けた結果だ。
自分の姿が“非常識”なことだと、彼女には自覚があった。
――何故なら、彼女は「元々人間だった」からである。
“非常識”なことだが、突然謎の組織に拉致されて、生きたまま今の姿――ルビー状の石像に変えられたのだ。
当初は全く動くことが出来なかったが、とあるきっかけで動けるようになった。
もっとも１年前後、文字通り石像のままだったため、彼女の人間時代の記憶はかなり薄れてしまっていたのだが。
動けるようになった――といっても、今ほど自由に動けるようになるには、修行も必要だった。
何しろ肉体的には“継ぎ目のない鉱物の塊”なので、“常識的には”動かせるはずがないのである。
その体を動かしていることが“非常識”なら、“動く石像”の姿を見ることも“非常識”だろう。
ファンタジーゲームの世界のように、モンスターの存在が社会的に認知されているわけではないからだ。
それが分かっているから、ルイは人目を避ける必要があったのだ。
（曇ってきたなぁ……何だろう、嫌な予感がする）
瞳のない赤い顔に不安な表情を浮かべて、ルイは再び空を仰ぎ見る。
実は彼女が充てもないのに歩き続けているのは、「ここがどこか分からない」からだ。
金芽台に程近い、東京西部の山中にいるのだという実感は、ルイ自身にはないのである。
時折林道をまたいだ時に、標識に書かれていたのが日本語だったため、日本であることは分かっているが。
昨日――今の場所から20kmほど離れた関東山地の山中で、ルイは突然目が覚めたのだ。
彼女の同志でもある４人の少女――例によって彼女らも“鉱物娘”だ――たちと共に。
彼女たちはルイが知る人物だが、ルイが理解できない状態でルイと同じように山中に倒れていた。
途中までは５人一緒に、人目を避けて森の中を歩いてきたのだが、
街が近くなったことに気付いたルイは、少女たちを代表する形で１人、更に先へと歩を進めたのである。
付け加えれば、山中で目覚める前、ルイはある“宿敵”を追いかけていたはずだった。
その宿敵こそ――彼女や同志の少女たちを「生きた石像」へと変えた、秘密結社のボスだったのだ。
それがどうしてこういうことになったのかも、実はよく分かっていない。
（あいつ……あたしたちをこんなところに置き去りにして。見つけたらただじゃ置かないんだから）
半透明の真っ赤な手を硬く握り締めるルイ――ガラスをこするような音が響く。
ここがどこかは分からないけれど、“あいつ”を見つければ、きっとその答えが出せるはず。
その思いだけを頼りに、ルイはひたすら歩き続けていたのだ。
障害物の多い森の中を歩き続けたため、彼女の服は擦り切れている。
体の方はその辺の樹木よりもはるかに頑丈なので、怪我をする心配はないのだが。
と――その時だった。
「あのぅ……あなたも――アヤカシですか？」
（ひゃっ！？――なっ何！？）
ふと――出し抜けに近くから声をかけられて、ルイは飛び上がった。
慎重に人目を避けて歩いてきた……そもそもここは人の手の入ってない森の中のはず。
声のした方に振り向いて、ルイは硬直した。
（……えっ……！？）
彼女から数ｍほど離れた、ひときわ大きな木の根元。
そこに、全身濃い緑色の、ブロンズ像を思わせるポニーテールの少女が立っていた――
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同じ頃――立川基地司令部の上にある、防衛特調本会議室。
「行方不明者の捜索、ですか？」
室長の黒木特佐が会話している相手は、警視庁からやってきた大賀翔平警視。
大賀は、ここ２〜３日の間に頻発している、ある怪事件の捜査協力を求めて、防衛特調を訪れていた。
本会議室には２人の他、マークとパドルが同席している。
窓の外では、先のディスヴェリオン襲撃事件の際に破壊された、電波塔の再建工事が進んでいる。
これまでは司令部屋上に仮設したアンテナや、オーディアンの通信網などに頼ってきたが、
防衛特調が本格的に稼動し始めた今、こうした状況は早く脱出しなければならない。
「この部署は、常識を超えた事件に対処するためにありますが……つまりそういう事件だと？」
「現時点では推測に過ぎませんが……これまでの行方不明事件とは質が違いますので……」
黒木は大賀から渡された、捜査情報の概要を記録した１０数ページほどの書類に目を通す。
不明者の名簿、鑑識による現場の情報などを簡潔な要点にしたものだ。
そしてその中に、黒木は奇妙な情報を見つけた。
「――黒い液体？」
「そうです。現場に共通するのが、コールタールに似た硬化性の流動物の痕跡なのです。
鑑識が現場に入った時はすでに硬化してたのですが、流動した跡がありまして……」
書類には、黒く染まった現場の写真が、何枚か添付されていた。
それはまるで地面や建物に、大量のペンキをぶちまけたかのようにべっとりとこびりついており、
しかもその表面には、青銅に似た奇妙な緑色の光沢があった。
そしてその写真の中には、被害者だろうか……足跡が残っているものもあったのだ。
「この足跡は……被害者のものでしょうか？」
「恐らく、としか言えません……奇妙なことですが、靴跡のようで靴跡でないのです。
指はないのですが、靴なら本来ある溝が、この足跡にはなくて……」
「これはまさか……“ヒッポリトタール”！？」
テーブルに置かれた書類を見ていたマークが、ふと眉を潜めてそう言った。
「マーク殿、ご存知なのですか！？」
「私が知っているものとは質感が少し違いますが……良く似ています。
ヒッポリッターと呼ばれる宇宙人が開発した、流動性素材の１種で、
最初は液体のようですが、数分ほどで金属のように硬化する性質があるのです」
「“ヒッポリティリキッド”と呼ばれることもありますね、確か銀河社会では建材にもなりますな」
マークの言葉にパドルが補足を加える。
「建材……つまり速乾性の化学塗料のようなものですか？」
「そうですね、ですが我々の記録では、それが犯罪に使われたことがあるのですよ。
硬化が早いので、例えば生物に対して使った場合、自由を奪うのに効果的というわけです」
「トリモチのようなものというわけか……！」
うーむ、と腕組みをする黒木……ずいぶんと奇妙な事件が起きたものだ、という表情をする。
「では……この事件の背後には、その宇宙人が関与していると？」
「まだ推測ですが、可能性はあります……行方不明になるまで時間が短いのも気がかりです」
「確かに、目撃情報などの照合から、行方不明になるまで１０分ほどしか経ってないものがあります。
人通りの少ないところが多いので、被害者を拉致するには十分な時間と言えますが……」
「それからもう１つ、気になることがあります」
書類に目を通していたパドルが、今度は先に口を開いた。
「地球人以外の存在が関与しているなら、普通はサイトＧで事前に異変の兆候を捉えるはずなんですよ。
ですが、この数日間……この行方不明事件が起きた現場で、それらしい兆候がキャッチされていません。
銀河社会の知識を持つ者が関わっているなら、感知できても良いはずなんですがねぇ」
「それは確かに……どういうことだ？」
「では、宇宙人が関与している事件ではないということですか？」
「そう断定するのはまだ早いでしょう。サイトＧのセンサーの感知機能にも限界がありますのでね。
相手がそれなりに高度な科学力を持ち、頭が良ければ、裏をかくことは理論上可能です。
裏を返せば、この事件に異星人が関与しているとしたら、彼らが保有する技術ソースも高いと言えますな」
「つまり……相応に高い科学力を持つ組織が、背後で動いているということか……！」
マークの言葉に、パドルは頷きを持って返した。
「例えば……次元融合変動が起きて間もなく、東京湾岸で起きた怪獣事件を覚えていますか？
あの時都心部に侵攻した合体式の機動兵器のことを」
「あの霞ヶ関を荒らし回ったロボットですね……あれは本当に悪夢だった」
「ジェネラルジョーのことですね…… ――そうか、ゴーディス！」
「ゴーディス……確か以前伺いましたね、宇宙人たちのマフィア組織とか」
黒木の言葉に、パドルは再び神妙な表情で頷いた。
「そう……ゴーディス並みの技術ソースがあれば、センサーの裏をかくことは十分に可能でしょう。
彼らはしばしば、技術力に劣った惑星で、新兵器の実験をしているようです。
まだ確証はないわけですが、ゲリラ的な事件を起こす可能性があるので警戒が必要ですな」
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「――えっ、元人間なんですか？」
再び金芽台近郊の山中。
ルイが突如遭遇した“ブロンズ像娘”は、ルイの言葉に意外そうな表情を浮かべた。
ルイは声を出して会話することは出来ないが、どうやら彼女にはルイの言葉が分かるらしい。
（……信じられないかもだけどね）
「あ、でも、花子さんみたいなこともあるし、人間がアヤカシになることはあり得ますよね、うん」
１人得心したように頷くブロンズ娘……引っ掛けた眼鏡がキラリと光る様は知的な印象もあるが、
まるで巫女のような古風な服装と、背中に背負った薪のような物体が、どこか時代錯誤だ。
ルイとは違って、服も薪も青銅の光沢を持っており、まさに銅像のようだ。
（あ、あのさ……そのアヤカシって何？）
「え、アヤカシはアヤカシでしょ、人間のウワサから生まれた魔物や妖怪の総称」
（オカルトな話だね……でもあたしは一応元人間だよ、ウワサとか関係ないし）
「人間が呪われてアヤカシになることもありますから……あ、もしかして自覚ありません？」
（……よく分かんないけど、あたしはその、アヤカシじゃないと思うんだけどなぁ……人間でもないけど）
「ふーむ、まだなって間もないってことでしょうか」
（間もないといえば間もないのかな……動けなかった頃から数えたら２年くらいになるけど）
「……意外と経ってますね、でもまぁ２年は短い方かも。まだ未練も多いですよねぇ。
あ、すみません、自己紹介遅れました。ボク二宮銀子といいます」
（……ボク？）
「え、あ、あぁ、ボク元々は男なんですよ。ほら、二宮尊徳っていたじゃないですか。
学業の化身で有名な銅像。元々はあれだったんですが、色々ありまして」
“ブロンズ娘”の正体は二宮銀子。
いわゆる“学校アヤカシ”の１体であり、元は「校庭を走る二宮金次郎像」である。
それが何でまたポニーテールのメガネっ娘という姿になってるのかは、これまた事情があるようだ。
（……だから薪背負ってたのね。 ふぅん、元男かぁ、ユウ君やカオル君みたい）
「ボクみたいなお知り合いが？」
（まぁね……あたしはそのアヤカシじゃない気がするけど、区別つかないならまぁいいや。
少なくとも人間ではないし。あたしはルイ、宜しくね♪）
「ルイさんですね、宜しくお願いします。大丈夫ですよ、アヤカシも結構楽しいですから♪」
銀子は、ルイを自分と同じアヤカシ――つまり妖怪の１種だと思い込んでいるようだ。
ルイは食い下がっても仕方ないと思って、彼女の思い込みには目をつぶることにした。
よくよく考えれば、すでに人間ではないし、歩き回る石像とか、常識的には妖怪と変わらない。
目の前で陽気な振る舞いを見せる銀子と何が違うのだろう――ルイはそんなことも考えた。
「それでルイさんは、これからどこに？」
（実は充てがないんだよね……さっきまである人を追ってたんだけど、見失っちゃってさ。
正直言って、ここがどこかも分からなくて、もぉやんなっちゃう）
「迷っちゃったんですね、ボクと同じですか」
（そうそう、もう情けないよね――ってちょっ、君もそうなのっ！？）
「いやぁ、多分世界を超えちゃったんだと思うんですけど、何だかよく分からなくて。
だから今、花子さんと一緒に、この先の古い建物で暮らしてるんですよぉ」
（世界を超えちゃったって……あっさり言うね……これがアヤカシの感覚なのか）
「ルイさんも充てがなかったら、どうですか？ どうも雲行きも怪しいですし。
もしかしたら“黒い雨”が降るかも知れないので、急いだ方がいいかも」
（……黒い雨？）
銀子はふと、妙なことを口にした……ルイは首を傾げて聞き返す。
「そうです、変な雨なんですよ……あれを浴びたら身動き取れなくなっちゃうので、困るんです。
最初に浴びた時は、花子さんの刀で削り出してもらいまして、ハイ。
あ、でも２度目の時はそうでもなかったな、どうしてでしょう？」
（……いや、あたしに聞かれても）
銀子は少し天然な銅像娘であった。
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「――うわぁ、どんどん曇ってきた、急がなきゃ」
同じ頃――加奈は金芽台グリーンベルトの外れを、小走りで家に向かっていた。
彼女の家は、金芽台でも少し奥まったところにある。
正規の通学ルートではないので朝は使わないが、実はこちらの方が“近道”なので、
早く帰宅したい日は、時々この森林公園の遊歩道を使うのである。
とはいっても、起伏に富んだハイキングコースの上、曲がりくねっているので、
家に着くまでは１０分ほどかかる……まぁ正規ルートより数分ほど早いくらいだろうか。
加奈が遊歩道の坂を駆け上った――その時だった。
「――えっ！？」
道の先に、奇妙な人影が見えた。
少し距離があるが、全身真っ黒で、影そのものが立っているような奇妙な姿。
空模様の所為もあって薄暗いとはいえ、人が真っ黒に見えるなんて普通はあり得ない。
しかも――何故か顔だけが、あたかも能面のように白く浮き上がっている。
「だ、誰ですか、そこ通して欲しいんですけどっ」
ぞっとするような不気味さだが、加奈は気丈にもそう言った――しかし。
――ウフフフフッ
空に反響するような奇妙な笑い声が響いたかと思うと、黒い人影から影のようなものがぶわっ、と広がり、
加奈を包み込むように覆い被さってきた。
「ちょ、何、やめっ――」
加奈は思わず身構える。
影のようなものは、突風のように加奈に向かってきたかと思うと――そのまま通り過ぎていった。
再び、元の森林公園の風景が視界に蘇る。
「……あ、あれ？」
しかも――今さっき目の前に立っていたはずの“黒い人影”も消えていた。
人気のない林道の中に、加奈だけが立っている。
「……な、何だったのよ、いったい…… あっ、降ってきた！」
ぽつり、と頬に水滴のようなものが当たる感触を覚えて、加奈は再び小走りに駆け出した。
雨はすぐに勢いを増していく……それはまさに夏特有の夕立の降り方だ。
そしてその雨滴は――不気味な黒さを帯びていた。
「ちょっ、何よこの雨……！」
――黒い雨が降った後に、必ず人がいなくなるんだって――
加奈は数時間前に、咲から聞いた“都市伝説”を思い出して、一気に不安が募った。
まさかとは思うけれど、早く家に帰ってほっとしたい。
この坂を駆け下りれば、家の前の車道に出るはず――
「……あ、あれ？ お、おかしいな？」
しかし、そこに車道はなかった。
今まで小走りで駆けて来たのと同じ林道が、先までずっと続いている。
加奈にとっては慣れた道……間違えるはずはないのに。
しかも……手足が妙に重くなっている。
「な、何よこの雨……まるで泥みたい」
普通なら流れ落ちていくはずの雨滴が、まるで粘液のように体にまとわり付いていく。
水というよりも……まるで油のようだ。
何が起きているのか分からないが、不安が急激に募っていく……いや、分からないがこそ。
重くなっていく体を引きずるように、加奈は林道を歩いていく。
早く、早くこの林道を出ないと……！
ふと――ドサッ、という物音がして、加奈は足音を見下ろした。
さっきまで手に持っていたカバンが、“黒い雨”で真っ黒に染まった地面に落ちている。
そして加奈は、半開きの手が、今や全く動かなくなっていることに気付いた。
視界に入る足も真っ黒に染まり、前に踏み出せなくなっている。
急激に体の自由が奪われて行く……腕も、脚も、胴体も、気付けば首も回らない。
「……やっ……ぁっ……！！？」
助けを呼ぶために何かを叫ぼうとした加奈だが、唇が動かなくなっていることに気付いた。
そしてその直後――視界が奪われ、口も何かによって塞がれた。
まるで仮面を被せたように、顔を何かが覆ってしまった感覚がした――しかも。
（な、何コレ……う、動けない……息が……苦しい……！）
息が出来ない。
口自体は開いている感覚がするのに、もう酸素は肺に入ってこなかった。
何かが体の中に染み込んでいく得体の知れない感覚を覚えながら――加奈は意識を失った。
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「――いやぁ、間一髪でしたねぇ」
再びルイと銀子の即席コンビ。
（何よあの雨……雨って言うより、石油が降ってるみたい）
小さな建物に駆け込んで、難を逃れた２人だった。
飾り気のないコンクリートの構造体、人１人しか入れそうにない小部屋、そしてその中に置かれた便器。
２人が駆け込んだ建物は、古びた公衆トイレだった。
“黒い雨”の１部は建物の中にも降り込んでくるが、粘性があるのか奥までは来ない。
「あぁ、言われて見れば油みたいですね、火をつけたら燃えるんでしょうか？」
（……ちょっと、変な気を起こさないでよね、もし燃えたら山火事になるわよ）
「ボクたちは山火事になっても大丈夫ですよ、金属と鉱物ですから♪」
（……いや、そういうことじゃなくてさ？）
「何さらっと物騒なこと言ってんだよ、人間時代のないアヤカシの感覚ってそんなんなのか？」
ふと――２人の掛け合いに参加するような声が、奥から響いてきた。
ルイが振り向くと、個室の１つからのそり、と赤いセーラー服を着た長い髪の少女が姿を現す。
「あ、いたんですか花子さん、引っ越したんですか？」
「ちげーよ。お前を探してたら変な雨が降ってきたから避難したんだ」
「ボクを探してたんですか？」
「探検してくるとか言いやがるから……で、そっちのはこの世界のアヤカシか？」
（え、あたしのこと？）
「声は出せないんだな……その口調だと元々女子か」
「あ、ルイさん紹介します。こちらトイレの花子さん。元中学生男子で知る人ぞ知るアヤカシカウンセラー」
「……銀子お前、からかってるんじゃないだろうな？」
「まさかぁ、ほんとのこと言ってるだけですよ？ 因みにボクを女子にしたのもこの人です」
「……絶対お前、根に持ってるだろ」
（……この人も元男子なのか。 しかも、何か掛け合い漫才みたいね）
当たり前のように“ボケツッコミ”を展開する２人のアヤカシ娘を見て、ルイは苦笑した表情を浮かべた。
花子は顔立ちこそ可愛い少女だが、素振りが粗暴な男子そのままのためか、どこか妙な印象がある。
あと赤いセーラー服の胸には『桜木』の名札が付いている……さしずめ“桜木花子”と呼べるのだろうか。
「で、ルイさんだっけか、あんたももしかして“元人間”なのか？」
（え、分かる？）
「何となくな。俺も元人間だったから、感じるのかも知れねぇ」
人気のない古びた公衆トイレで会話する人外トリオ。
ルイは花子の意外な感性の鋭さに、今度は少し感心した。
（……そんなものなのかなぁ）
「あ、雨上がったみたいですよ？」
「出る時は慎重にしろよ、人間がいたらややこしいことになるからな」
（あ、それ同感……あたしたちみたいなの見たら、普通の人はパニックだもんね）
「あ、やっぱりそうなんですか」
「……お前本当にあの二宮金次郎の銅像かよ。初めて会った時から思ってたが、どっか抜けてるよな」
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そんなことを囁き合いながら、３人がそろりと洗面所から外に向かう廊下に足を出しかけた時だった。
「急ぎますヨ、誰かに見られル前に運ばネバ……チョット百合子さん、手伝ってくだサイ！」
「……そんな小娘１人ロクに運べないくらい、足腰弱いんですの？」
「すでに浸透してマスから、銅像と同じなのデス！」
奇妙な声が外で響いた……微妙な感覚だが、どうも人間とは違う印象がする。
「あの声は！？（ボソボソ）」
「知るかよ、顔出すと見つかるしな（ごにょごにょ）」
（あ、あたしだったら見れるかも）
ふと、ルイはそう言って、手をそろりと公衆トイレの入口から外に出した。
半透明の鉱物でできた彼女の体は、全身がちょうどプリズムガラスのようになっており、
体のどの部分でも、目の代わりをすることが出来るのである。
ルイが“手の視界”で得た外の光景は……
（な、何アレ！？）
青と赤のグロテスクなカラーリングを持つ、昆虫とゾウを掛け合わせたような奇怪な生物。
全身銀色のすらりとした少女……服まで同じ色なところが、どことなく銀子に似ているが、目つきが違う。
そして、昆虫とゾウの相の子のような生物は、腕に抱えていたものをいったん、地面の上に置いた。
それは――これまた奇妙なポーズをつけた、少女の銅像だった。
セーラー服のような服装の、中学生くらいの少女像だ……長髪の先から、触角のような毛が数本飛び出ている。
歩いているようなポーズだが、どこか妙な姿勢で、悲しげな表情も不思議な印象を醸し出している。
「ここで転送しまショウ……百合子サン、あなたも一緒に来マスか？」
「結構ですわ、ここはわたくしの庭のようなもの、どうすればいいかは分かってますもの。
ではジョルバさん、また後ほど」
百合子と呼ばれた銀色の少女は、絵に描いたようなお嬢様風な素振りをする。
ジョルバと呼ばれたゾウ鼻の生物は、腕に巻いたブレスレットのようなものを弄る。
すると地面から光のチューブが立ち上がり、ジョルバは少女像と共に光に包まれて消えた。
「全く……いつもながら悪趣味な方だこと。ゼルガ様も何故あんなのを誘ったのかしら」
百合子はそう呟くと、足音も立てずに木立の向こうへと姿を消した。
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ルイはその一部始終を見た。
因みに花子と銀子も見た……ルイが反対の手に“映像”を反射させ、投影させたのである。
「悪趣味っていうことは、まさかあの銅像って……」
（あんまり考えたくないけど、多分あたしと同じじゃないかな……今さっきまで人間だったんじゃ）
「凄いですねぇ、こうやって外の風景を反射できるんですか」
「バカ、そんなところに感心してる場合か！」
（さっきの黒い雨……人間を銅像に変えてしまえるのね……あいつらと関係あるのかな？）
「あいつらって？」
（あたしを石像に変えた連中……さっきまで、あたしはそのリーダー格を追ってたの。でも見失った）
「あのジョルバとかいうのが、そのリーダーなんですか？」
（ううん、あんな変な生き物じゃない……“あいつ”も人間じゃなかったけど、もう少し人に近かったわ。
だからあいつらと関係があるのかは分からない……でも、悪いヤツには違いない）
「どっちにしろ、捨て置けねぇな。人間に恩はねぇが、あんな外道は問題外だ」
「さっきの百合子とかいうアヤカシ……前にも１度見たことありますよ」
何の前触れもなくぼそり、と呟いた銀子に、今度はルイと花子が鋭く反応した。
（えっ、ホント！？）
「バッカ、それを早く言え！」
「あいたたた、花子さん痛いですぅ」
思わず、ぐりぐりと銀子を締め上げる花子。
銅像娘を締め上げるというのも結構なパワーだが、実は彼女は怪力の持ち主なのだ。
「あの学校の“旧校舎”に出入りしてるのを見たんですよ、あの金色のアロエ男と一緒に」
「ってことは、そこが連中のアジトか！」
（旧校舎って？）
「この公園の先に学校があるんだよ、その端っこに使われてない建物があるのさ」
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「……まさか、こんな近所で事件が起きるとは思わなかったな」
夕方の金芽台。
パドルはサイトＧから、すぐ近所にある“事件現場”に駆けつけていた。
目の前には、焼け焦げたように黒く染まった木立の塊。
といっても別に、山火事があったわけではない。
木立はコールタールに似た物体に覆われ、黒く染め上げられていたのだ。
町外れの車道から見上げる“黒い木立”の幅は10数ｍ程度と狭いが、
実は森林公園の奥に進むにつれて広がっており、概ね100m四方が被災しているらしい。
隣にはセイヴンがいる……因みにマークは立川基地に待機している。
「空間が歪んだ反応はほんの数秒だったようだ……しかしその前から“黒い雨”が降ったという報告が」
「“黒い雨”自体は、召還したものではなかったということなのでしょうな……恐らく、
空間擬装した投下装置か何かを、上空に上げていたのではないでしょうかね？」
「ふむ……つまり空間を歪めた数秒の変化は、証拠隠滅のためだったということですね……」
「工作に使った道具を他の空間に転送するだけなら、数秒あれば十分ですからね」
「では、やはり件の宇宙人が事件に……？」
パドルとセイヴンの横には、大賀警視が立っている。
彼も事件の報を聞きつけて、立川基地のゲートから金芽台にやってきたのだ。
初めての“空間移動”にさっきまで戸惑い気味だったが、今は現場を目の前に冷静さを取り戻している。
「その可能性が高まったと言えそうですな」
「確かにこれはヒッポリトタールに似ている……しかしこれだけの範囲でやるとは大胆な……」
「自然現象に擬装するためにはチューブを使えませんからね」
ふと、パドルたちの近くで声がした。
振り向くと、長い黒髪の女性が、現場を見つめるようにして立っている。
かなりの長身でグラマーな体形をしており、赤茶色のパンツスーツはやや擦り切れている。
「……あの、どちらさまで？」
「あ、そうか。セイヴン大使はこの姿でお会いするのは初めてでしたっけ」
「ライカじゃないか……お前も来たのか」
パドルの言葉に、ライカと呼ばれた黒髪の女性はにこりと笑みを返した。
「ライカ……あ、あの捜査局のライカ捜査官ですか？ レイス大使の妹君の」
「捜査官というと……警察関係者ですか？」
「えぇまぁ……ただ警察関係者と言っても、地球の警察ではありませんがね」
「えっ……！？」
パドルの言葉の意味を察して表情を変える大賀に、ライカは再び、今度はフォーマルな表情で礼をする。
「突然押しかけて申し訳ありません。アトラス捜査局広域捜査官のライカ・アルゴです」
「つ、つまり……宇宙の……」
「えぇ、そういうことになりますね」
「人間と……あ、いや地球人と同じ姿をしているのですね……」
「あ、これ擬装なんです、本当はもう少し違う姿なんですけど、それだと混乱を起こすかと思いまして。
パドル大使やアイレス大使、セイヴン大使も今とは異なる姿を持っていますし」
「え……そうなんですか？」
「えぇまぁ、そうですね」
目を白黒させる大賀と苦笑しながら相槌を打つパドルを交互に見て、今度はライカが戸惑う表情をした。
「あ、あら？……すいません、もうその辺の話はされているとばかり」
「確かに、まだ“真の姿”を明かしてはいないな……いずれ周知せねばと思ってたが、時間が取れなんだ」
「いや、こちらこそすみません、免疫がなくてお恥ずかしいところを見せました。
私、警視庁で警視をしております大賀と申します」
息を正した大賀は、改めてライカに礼をする……ライカも再び礼を返した。
隣でセイヴンが再びライカに話しかける。
「ところでライカ捜査官。もしかして地球に来たのは、この件のためですか？」
「いえ……任務自体は別件だったのですけど、広くは縁がある件かも知れませんね。
この事件を起こした犯人と、私が追っている容疑者との間に、関係がある可能性はあり得ます」
「自分も背後でゴーディスが動いているのではないかと思っているのですが……」
「可能性は高いと思います……ですが、組織ぐるみの犯行にしては少し稚拙にも見えますね。
状況レベルとは言え、少し証拠を残しすぎだわ……何を考えてるのかしら」
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| （７章８話） |
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【Meking Memo／設定補記】
2013年頃に草稿を作成したエピソード。
当時は旧ＯＷ企画のエピソードであり、基本的なプロットは変わっていないが、
本公開の前に企画が打切になったため、ＰＡシリーズでサルベージする課程で細部を修正している。
また登場人物の入れ替えをした都合上、物語の順序も変わった。
（旧ＯＷ企画では8章“敵性ゾイド襲来編”の後の事件だったが、直前の事件に変えている）
実はヒッポリトタールで少女が銅像化される展開は、レオ（流離太）氏が過去に執筆した短編に影響を受けている。
それをモチーフに、メタロイドのルイを絡め、加奈の特殊能力獲得につながるフラグを立てたものだ。
またヒッポリト星人ジョルバ自体は飛石武氏の投稿キャラクターであり、色々とネタを盛り込んでいる。 |
