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★波動制御デバイス概論 統合ナンバー：IC-Z09 |
ＧＤＷ世界観では、宇宙を通常時空と超時空に分けて解釈する。
これは現実世界における、宇宙や“子宇宙”と、その外側の“無の世界”のモデルに似るが、
異なる法則が支配する世界であると同時に、両世界をつなぐ触媒的な要素を内包すると考える。
こうした触媒的な要素の１つが生命現象である。
生命現象は２つの性質の異なる存在場層を同調共鳴させることで、通常時空に肉体を持ちながら、
超時空の法則を活用することが可能なポテンシャルを有しているからだ。
銀河社会で暮らす多くの種族が持っている波動制御能力も、こうした生命現象の産物である。
この波動制御能力などの延長線に様々な固有術式が存在しており、
こうした固有術式をコントロールするために開発されたのが波動制御デバイスである。
ここではその基本的な概要について解説する。
◆波動制御デバイスの基礎構造
波動制御デバイスとは、生命の波動制御能力をサポートすることを主目的として開発されたアイテムの総称である。
生命の波動制御能力は存在場の２重構造に由来していることから、タキオンテクノロジーと相性が良く、
（霊魂などの概念と互換する生命存在場層は超時空に根があるため、タキオニクスと共鳴することが多いのだ）
波動制御デバイスもその技術体系の延長上に存在するものになっている。
また工業界もこれと互換するアイテムが多く、中でもエーテルドライブとタキオンドライブはその代表だ。
銀河社会は、こうした波動制御能力を開発した文明種族が相互交流する秩序であることから、
波動制御デバイスも必ずしも特殊なアイテムではなく、そのジャンル自体はある種のスタンダードとして存在している。
基本的には多機能エネルギーコントロール装置である、ターミナルクォーツを中核にした構造を持つことが多く、
使用者が振れるグリップやパネルと、ザイノファイバー素子を通じて連動している。
（波動能力を介して操縦する宇宙船やセキュリティロックなども広義の波動制御デバイスである）
また複数のターミナルクォーツを、直列ないし並列でデバイス内の回路に配置することで、
より大きなエネルギーのコントロールが容易になるという特性があることから、
高エネルギーを扱うザイオノイド向けのデバイスや、増幅装置を必要とするデバイスに良く用いられている。
エネルギー放射を専門的に扱うデバイスを別ジャンルとして分類することもある。
◆波動出力増幅デバイス（出力制御デバイスの解説を含む）
波動制御デバイスの中でも、ひときわ大きなエネルギーを扱うものの１つが出力増幅デバイスである。
使用者が開放する波動出力を外部で増幅して効果に反映する機能があり、
１部の熟達した波動制御術者が駆使する“外力制御”のノウハウと、原理的には互換しているシステムである。
波動制御デバイスの中核となるターミナルクォーツを、複数直列でデバイス内回路に組み込んでいることが多く、
単機のターミナルクォーツの効果を、直列配置により乗数で増幅することが出来る。
ターミナルクォーツ自体に、数倍から10倍程度の出力増幅機能が組み込まれている場合もあるため、
機種によっては使用者本人の数百倍から数千倍ものエネルギーを解放可能なものもある。
（実は数十万倍という増幅効果を持つデバイスもあると言われるが、それこそ神話枠レベルのアイテムと言えよう）
ただし、エネルギー量が大きくなればなるほど、使用者の負担が大きくなるというネックが存在する。
デバイスによっては、それ自体がビークルのような構造を持ち、大きなエネルギーを受け止められることもあるが、
携帯式のデバイスでは増幅効果100倍を超えた辺りで、使用者には無視出来ない負担がのしかかる。
更に増幅効果1,000倍を超えてくると、これを効率的に使いこなせるのはザイオノイドくらいというのが相場である。
また増幅効果が大きい分デバイス自体の負担も増すため、超物質含有素材が使われるケースが多い。
１方、ターミナルクォーツ複数を直列ではなく並列に配置した場合は、出力の増幅効果はほとんどなく、
外部入力のエネルギーを効率的に変換する機能が向上すると言われている。
例えば増幅デバイスのサポートを必要としない、戦神族スペックのザイオノイド種族の軍人などが、
自身の開放するエネルギーの活用効率を上げる場合に、こうした並列式の出力制御デバイスが用いられるのだ。
関連コラム：出力制御デバイスについて
◆波動出力リミッター（制限デバイス）
波動制御デバイスには幾つかの種類があり、代表格の１つが増幅デバイスと制御デバイスだが、
（厳密には別々のジャンルだが、中核装置が直列か並列かの違いで構造は共通する）
出力リミッター（制限デバイス）も実はこれらに勝るとも劣らない重要な存在である。
理性を重視し、協調的に振舞うことが常識の銀河社会でも、不測の事故が起きることはあるし、
中には銀河社会の常識を無視する乱暴者が少数ながら存在するため、何らかの“抑止力”が必要なのである。
出力リミッターは制限デバイスとも呼ばれ、増幅デバイスでは直列、制御デバイスでは並列に配置される、
ターミナルクォーツなどの中核装置のエネルギー効果を「遮断する」機能を持たされている。
これには固有属性に対応する超物質を組み込んだ、制限デバイス専用のターミナルクォーツが用いられ、
事故や暴走などで解放されたエネルギーの属性を瞬時に判断し、相殺する波動を放射するのだ。
それこそ艦砲クラスのエネルギー量でない限り、この制限デバイスで相殺可能であり、
スタディセンターなどの教育施設では、この制限デバイスを施設の床に複数埋め込んでいることもある。
暴走事件を起こしたザイオノイド種族の被告に、１時的な措置として装着を義務づけることもある。
ただこれは個体レベルで「能力を縛る」行為であり、自我の暴走を抑制する理性が常識の銀河社会では、
本来は望ましくないやり方であり、緊急事態への対処で時限的かつ例外的な措置とされている。
関連コラム：出力制御デバイスについて
◆念動制御システム・デバイス（波動セキュリティロックの解説を含む）
波動制御デバイスには、使用者の波動能力の制御ではなく、別の用途で使う機器も存在する。
こうした機器の代表格と言えるものが、念動制御システム・デバイスである。
その名の通り、念動能力の行使によって動作し、また制御を行う機器または動力装置の総称であり、
“タッチパネル式”の制御盤を持つことが多いが、非接触による操作を可能とするのが大きな特徴である。
念動能力ではなく、念話能力を使うタイプも存在する（機器をコンパクトに出来るが訓練が必要だ）
銀河社会の文明種族の多くは、文明化の過程で道具を扱うための作業肢（人間で言う腕に当たる）が形成され、
その形態や数は種族によって異なるが、その基本スタイルに大きな差がないことが多いが、
中にはこうした作業肢が未成熟で、逆に波動能力を先行的に発展させてきたケースも存在する。
こうした種族が従来主に使う機器として生まれたものが、銀河社会に浸透していった経緯があるようである。
ボタンなどを使わずに操作できるが、意識を向けることで「エネルギーのベクトルを変える」点では共通するため、
広義の波動制御術式（魔術など）の延長線にあるシステムという見方もある。
物質的な実体を持たない機器である、波動機械などもこうしたテクノロジーの延長にあると考えられており、
銀河社会の裾野を広げるのに大きな役割を果たしているのである。
また魔術による結界などの延長にある念動制御デバイスのアイデアの１つに波動セキュリティロックがある。
これは波動制御デバイスなどのセキュリティコードとして組み込まれる回路であるが、
波動能力を洗練させた諜報員などが侵入することを予め想定して、これを妨害する回路であり、
能力者が使う波動属性を逆流させて能力者にダメージを与える属性逆流弁などを組み込んでいることが多い。
複数の波動属性を同時に制御できる場合必ずしも通用しないが、こうした者は基本多くないのだ。
（波動能力の洗練には一定の時間が必要で、高度な技能ほど簡単には習得できないからである）
◆波動放射結晶（ブーストクォーツ）
波動放射結晶（ブーストクォーツ）は、ターミナルクォーツの１種であり、
その中でも「エネルギーを放射する」ことを主な目的として銀河社会で開発されたものである。
波動制御デバイスの中核装置として作られたターミナルクォーツにも種類があり、
例えばタキオンパックの“開口部”として機能するゲイトクォーツもこの１種だ。
その中でも独特の性質を持つのがブーストクォーツなのである。
目立った開口部がなく、結晶状の外装を持つが、ここからエネルギーを放射することが可能で、
機能はレーザーガラスや光ファイバーに近いが、より多様な波動属性に対応している。
これは結晶状の放射面に仕込まれた超物質含有素材が鍵を握っている。
そのため多属性のエネルギー放射を可能にするためには複数の超物質含有素材が必要であり、
これを小さな結晶体に仕込むには、相応に高度なナノテクノロジーが必須だとされている。
実はタキオンドライブなどもこの技術体系の延長上にあり、
エーテルドライブやリパルサードライブなど、超時空効果に関わる銀河社会の動力装置は、
その多くがシステムの中枢部にブーストクォーツかそれに準じるパーツを持つのだ。
超時空効果は通常時空の物理法則を超えて作用する性質を持つため、
物理的な開口部は必ずしも必要ではなく、媒介する超物質が重要な鍵を握るのである。
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【Meking Memo／設定補記】
2000年代にイメージし、2010年代にかけて発展した空想科学上のコンセプトの１つ。
異能ファンタジーやヒーロー創作でよくある、“魔道具”や“法杖”などのアイデアの延長線にあるが、
本文にも書いているように、銀河社会の動力装置と技術的な互換性があるのが特徴の１つ。
「異能制御術式と宇宙技術が連動している」のが、GDW世界観の独自性と言えるかも知れない。
（既存創作にも前例があることはあるのだが、特有のモチーフがあるわけでもないのだ）
変身能力概論と同様、安易な万能化を回避するために、一定の法則性を規定する意図もあり、
ターミナルクォーツの直列や並列という概念は、学校で学ぶ簡単な電気回路にモチーフがある。
「電池の直列回路と並列回路では効果が変わる」というアレだ（笑）
電圧調整コンデンサを並べる電子回路のイメージにも影響を受けている。
またこの手の異能制御デバイスは、戦士キャラを補助する武器ネタとして使われがちであるが、
GDW世界観では「武器専用の考証ではない」ため注意が必要だ。
条件反射的に、どうしても戦闘フラグ優先で想像してしまう人もいるようだが、
GDWの基本コンセプトは「平和な銀河社会」なので、波動制御デバイスの「平和利用も想定内」なのだ。
（増幅デバイスだって、戦闘以外に使い道がないわけではないのである^^;）
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